飯塚弟と自由研究(2)
「ほら、灰原があんなこと言うから起こる……」
そう言いながら顔を顰める。あんなこと? と首を傾げたコナンに、冗談だったのよ、と灰原はため息をついた。やはり出た死人である。ただしくは、死体が流されてきたのだ。生きている人間かと思って慌てて近くにいた大学生と引っ張り上げればもう事切れていたというわけだ。大学生が警察と救急車を手配する傍ら、救命活動をやめた俺達は死体を見ていた。そんな中での会話だ。それにしても、水死体にしては水を飲んだ感じはないから溺死ではなさそうだ。
「飯塚くんが自由研究に悩んでたから今日行った先で海の生き物を調べればって言ったのよ」
「で、灰原が、水死体が上がらなければいいねっつった。人はそれをフラグという」
頭部に外傷がある。ということは、だ。
「頭部に外傷がある、腹が膨らんでないから水を大量に飲み込んだとかはなさそうだな。多分死因は頭の方」
「殴られてから落ちた?」
「落ちた時にぶつけた可能性もある、が、どこから落ちてどこにぶつけたって話にはなるよな」
辺りを見渡す限り砂浜だ。落ちる場所がまずない。この辺りは子供向けに遊泳を許可されているところだけあって、自然では珍しく砂がなだらかに深くなっていくのだ。それでも安全を考えるとセーフティベストなどが必要にはなるが。閑話休題、とりあえず海の中でぶつけるような岩場がない。それはコナンも灰原もわかっているだろう。水難事故と言えば水難事故である。現に知り合いである大学生達は溺れたと言う話に持って行きたいのか、到着した警察にそう言った話をしていた。コナンが本当に? と首をかしげる。
「本当にこのお兄さん、溺れたの?」
僕たちはここで泳いでいたけれど、溺れるところなんて見てないよ。
その証言に、警察と俺たちの調査が始まったのだが。