クリスマスというものを特別視しているのは何も菜乃花のような子供だけではない。恋人をもつ人もまたクリスマスを前に浮かれるのだ。そして、この図書館にいる職員も例外ではない。まぁ、こちらに来たばかりの文豪はそんな概念なんか丸っとないのだけれど。パーティーをする、だなんて事も。
 クリスマスパーティーをしたい、と提案した菜乃花に、僕と館長は顔を見合わせる。
「たくさんおりょうりをならべてね、プレゼントをこうかんするの!」
 そう目をキラキラと輝かせた菜乃花に、館長は「まぁ、交流になるからいいか」と頷いたのだった。
「クリスマスパーティー?」
 首を傾げたのは四人の特務司書と五人の文豪達だ。初めて呼び出されて以来、すっかりと『助手』という立場になっている五人の文豪は不思議そうに目を瞬く。
「そう! みんなでやるのよ! おいしいおりょうりと、プレゼントこうかん!」
 胸をはった菜乃花は、ね! と館長と僕を見る。
「菜乃花が言い出して。付き合ってやってくれると嬉しいんだが」
 そう苦笑いした館長はチラリと海野さんを見る。一番の問題が彼女だからだろう。海野さんは少し考えて、「夜遅くにならないのであれば」と頷いた。それを見て佐藤先生がやれやれというように腰に手を当てる。
「司書がやるなら、俺が断る理由もないな」
「なんや楽しそうやし、ワシもええで。お司書はんもな」
「勝手に決めんなよ、まぁいいけどな」
「俺も構いませんよ。徳田先生も参加してくださいね」
「……わかったよ」
「僕も構わないよ」
「えっと、私、」
 恐る恐るというように手をあげた立川さんに、僕らは首をかしげる。
「その日、予定があって、夜には帰れると思います……」
「あ、ごめん、立川さんその日、休みの申請してくれてたもんね!」
 そう僕は慌てて手帳をめくる。按司くんがニヤリと笑って小指を立てる。
「ほーう、コレか」
「按司、プライベートなことに首を挟むと辻斬りにあいますよ」
「えらく物騒な例えだね。でも同感だよ」
 海野さんの言葉に、棋院くんが頷く。按司くんが肩をすくめた。棋院くんはため息をついて、菜乃花を見た。
「立川さんが夜には帰って来れるなら、夜にプレゼント交換しようか」
「うん!」
「でも、誰と交換しましょうか」
「公平にくじ引きでいいんじゃないかな?」
 堀先生の言葉に首を傾げる。そのあと、猫を含むか否かで話が別れたのだけれど。

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