許してほしい。完璧に正当防衛である。食事の時だ。一瞬見えた赤い光に近くにいたあのドイツ系であろう男性を押し倒す羽目になった。後ろが壁でよかったな、と思うのは、後ろに兵士がいたら銃弾が直撃だったからだ。かなり静かな音で食い込んだ弾、であるが、あとが酷い。角度からして斜め上部、すなわちこのホールのような――体育館のような食堂の二階部分からだ。

「すいません」
「頭をあげるな」

 そう私の頭を自分の胸元に押しつけた彼は、どこからかわかるか、と尋ねる。

「角度的に二階部分からかと。赤い光が一瞬見えたので」
「狙撃銃じゃないな」

 私をかばいながら起き上がった彼は周りを見る。いたであろう場所には誰もいない。

「兵士の仕業じゃないな」
「わかるんですか?」
「いや、お前が将軍達と何か話している間にあの方から命令があってな。まぁ、今のはあの人が雇ったならず者だろ。明日には片付くだろうが」

 ぽん、と私の頭を撫でた彼に、銃声が響く。ハッとして見上げればファルさんが二階部分にいた。

「ファル」
「あぁ、気にしないでください。殺してませんよ。命令違反者を捕らえただけです」
「そうか、俺も行った方がいいか?」
「いえ、貴方はハルといてください。相手が一人とは限りませんから」
「それもそうだな」

 過保護だな、と思いながらマグカップに入ったスープをすする。冷めたそれはやはり味が薄かった。


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mokuji