「ね、ねぇ、ハルからも、なにかいって!」
「スネーク、一応機内は禁煙だ。次からはサニーに見つからないようにしてくれたらいい」
「あぁ、肝に銘じる」
「もう!」
 そうぷりぷりと怒ったサニーに、ハルは笑ってモニターからスネークをみる。
「ハニー、口寂しいならキスしてあげようか?」
「なっ!?」
 思いっきり噎せたスネークに、彼女はケラケラと笑って、冗談だよ、と告げながらスネークのタバコをとって灰皿に押し付ける。それを聞いてスネークが少し残念そうにしたのを僕は見逃さなかった。
 ――あの後。ビッグシェル事件の後、僕が気を使ったというのに二人の仲は進展していない。
 スネーク曰く、あの後ハルは寝たらしい。それはもうぐっすりと。彼女は任務終わりは緊張が切れたからなのか、泥のように眠ることが多々あり――あのセンチメンタルな雰囲気は眠気からくるものだったらしい。眠りから覚めた後の彼女はケロリといつもの調子で、スネークが肩をすかされていたのが印象的であった。
 今の二人は――ハルはスネークの老化を支えて、サニーの親代わりとも言えるそれは側からみれば夫婦のようだが、本人にはそんなつもりはない。広い意味でのパートナー。逆にそうしか言えない間柄だ。
 随分と年を重ねたスネークに対し、ハルは少ししか重ねていないように見える。彼女が外見に気を使っているからなのか……あまり気を使っているようには見えないけども。いや、サプリを飲んでいるのを見ると恐らくは気をつかっているのかもしれない。
 二人の様子を眺めていたサニーが首を傾げて口を開く。
「ねぇ、ハルは、スネークが好き?」
 子供はたまに、ダイレクトに確信に迫る質問をするものである。突然の質問に、スネークは動きを止めた。それに対してハルは、そうだなぁ、と考える。
「私はスネークもオタコンもサニーも、みんな好きでみんな大切だよ。スネークもきっとそうだ、彼は見栄っ張りだからそんなことは言わないけどね」
 彼女の言葉にスネークがしかめっ面をした。しかしながら、僕もわかっていることなので僕もそうだね、と頷いておく。その反面、彼女が逃げたとも思う。彼女がどういう気持ちを抱いているか、僕らは今だに知らないのである。

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mokuji