白い魔女と本丸(6)
部隊が帰ってきて速攻で手入れ部屋に押し込んだ私は悪くないと思う。問題が綺麗な刀云々ではないのである。はぁ、と息を吐いた私をみてまた固まっている長谷部さんをみる。
「長谷部さん?」
「いえ、何故手入れを?」
「怪我をしたら治すは当たり前だし、怪我が積み重なったら動けなくなってしまいますよ」
「えぇ、でも、あいつらはまだ動けます」
「……私が怪我をしている姿を見たくないんです。いけませんか?」
そう首を傾げれば、彼は目を瞬いて、「仕方ありませんね」と笑ってみせた。
「貴方がそう言う志向なら我々は従うまでです。ですが、ナマエ様、これだけは覚えておいてください。我々は物だ。物はいつか壊れる運命になる」
「確かに貴方達は物です。でも、私と同じで心はあります。誰かを慈しむ、何かを愛することもあれば、誰かを憎む、何かに恐怖を覚えることもあるでしょう。そうした心があるならば、私は貴方達を物扱いすることはできません。第一、どんな物であっても大事に使うべきだと私は考えます。貴方達がそうされて今の時代に残っているように」
「……」
「それでも、『ものがはいつか壊れる』と貴方がそんなことを言うのであれば、私はこう返さなければいけません」
私は彼を見て微笑む。
「人間はいつか死にます。時に唐突に、時に病に侵されて、あっけなく。いくら生きたいと願っても、人間は死ぬときは死にます。なんら、貴方達物とかわらないのです。貴方達にも私達にも心があるし、いのちは有限だ。私たちは貴方達とどう違いましょうか。違いがあまりないのに、同じ扱いをしてはいけませんか」
そう尋ねるだけ尋ねて、私は踵を返したのだけども。
- 6 -
*前次#
ページ: