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「貴方の夢を叶えさせてください」
そうやってきた芸能人にはて? と首をかしげる。そういや数ヶ月前にそんな番組のインタビューをうけた気がする。ええーと、と私は助けを求めて周りをみる。良かったなー、とか羨ましいとかぐらいしか言ってくれない。
「多分無理です」
「なんでですか?」
「私、持病の関係で激しいスポーツできないんです。だから無理です」
そうはっきり告げる。きっと、私の人生はテレビ映えするだろう。芸能人の彼は目をパチパチと瞬いて、持病、と繰り返した。
「心臓の病気なんです。手術もしてます。でも治らなかったんです。だからありがたい申し出ですけど、できません」
私の説明に、芸能人はディレクターだろう男性をみた。なら主治医についてもらって、だとかいう説明をしていたが私は首を左右に振る。ミニゲームならしていなかったか? と近くで様子を窺っている村越さんが言ったが。おいおい、やめてくれ。とんだフレンドリーファイアである。
「じゃあミニゲームでいいのでやりませんか?」
「できるわけがないでしょう」
そう言いながらつっぱねる。困った彼らに、困りたいのは私なのであると伝えたくなる。そもそも私の幼馴染みが誰か分かっているのだろうか。
「もうその夢は諦めたんです。確かに叶えたかった。でももう無理なんです」
「その幼馴染みと主治医に許可を貰ったらいい話でしょう?」
「その幼馴染みが誰か知らないでしょう。私は向こうに迷惑をかけたくないんです。だからごめんなさい。お引き取りください」
頑なに拒む。では、その幼馴染みの人の名前だけでも教えてください、と食いついた彼に私は目を伏せる。なんでこんなに食いついてくるんだ。手に力を込める。そりゃあテレビ映えはする内容だろう。きっと私の話はお涙頂戴の話にはなる。スター選手の二人につく新たなエピソードにもなる。でもそれは私の希望も苦しみも悲しみもなにもかもをふみねじったものだ。そもそも、彼らは私を許しはしない。
「ごめんなさい。私にはできません。他の方の願いを叶えてあげてください」