おてがみよんだ!(蜀)




「徐庶殿にお届け物が来てるよ」

 徐庶が飛竜と野生動物を追い払って帰ってくると、馬岱がそう言って一枚の紙を徐庶に渡した。書状? と首を傾げて受け取ったものをみれば、子供の文字で徐庶殿と書かれていた。その下に徐兄と書かれているのを見れば恐らくはケイファからなのだろう。

「いやー、びっくりしちゃった。俺の背よりも大きい生き物が空から降りてきて、下げた袋から何か取り出したなぁと思ったら徐庶殿へのお届け物なんだから」
「馬岱殿より大きな生き物?」

 そう徐庶が首を傾げる。こんな感じ、と馬岱が小さな妖筆で絵を宙にかいたのをみて、あぁ、と徐庶も徐庶の頭のあたりに乗っている飛竜も理解した。鳴き声のように翅を震わせた飛竜に、カイリューがきていたのか、と徐庶がつげた。

「かい……竜?」
「ケイファの世界の海の何処かに住む竜らしい」
「へぇ、そうなの。でも事前に徐庶殿の話を聞いたり、飛竜を見ていてよかったよ〜。妖魔と勘違いして襲っちゃうところだったし。まぁ、海竜が友好的だからよかったけれど」
「言い聞かせておくよ」

 困ったように徐庶はそう告げる。徐庶が裏側を返せば、子供の文字でケイファと同じく書かれており、開けられることがわかる。封筒を開けてみればそこにはもう一枚紙がはいっている。ふわりと漂ったのは甘い花の香りだろうか。書かれている文字は、ケイファの家でみる文字である。

「うわっ、なにこれ!? 見たことないよ! 本当に異世界から来たんだねぇ。徐庶殿読めるの?」
「多少だけど……。……急ぎの要件ではないみたいだ」
「なんて?」
「冬支度をするらしい。子供だと難しいから暇な時に来て欲しいと。まだ秋になったところなのに」
「ん〜……徐庶殿、その子って馬や家畜みたいな生き物と一緒に暮らしてるんだよね?」
「あぁ」
「多分、その生き物の準備が大変なのよ。生き物がたくさんいるんでしょ?」

 馬岱の言葉に徐庶はなるほどと理解した。確かにポケモン達の準備をしないといけないのならば大変だろう。飛竜と呼ばれているビブラーバにも冬支度は必要なのだろうか。そう見上げれば、飛竜は不思議そうに首を傾げたが。

「飛竜も何か支度しなきゃ行けないかもしれないし、近いうちに行ってみるよ」
「うん、そうしてちょうだい」
「馬岱殿も来るかい?」

 本の出来心である。諸葛亮や龐統からは他の知り合いを増やしてみればいいのでは? という話が出ているのは確かである。次の休みにはどちらかがついてくるという話だったのだ。それが一人増えようが二人増えようがケイファは構わないだろう。馬岱は「えっ、いいの?」と問いかける。

「俺は構わないし、ケイファも構わないと思うよ。ただ、一尺ほどの虫をみても大丈夫?」
「一尺!? 何それ!! 本当に虫なの!?」

 驚いた馬岱に徐庶は頷く。まぁ、ケイファの世界の虫なので、本来はいないものなのであるが。



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