たてものつくろう!(1)



「土をならすの手伝ってくれるこー?」

 そうケイファが大きな声を出せば、四方八方から土が盛り上がった。そしてそれはそのまま三人に向かって伸びてくる。
 ぽこっと穴があき、顔を出したのはドリュウズやモグリュー、ディグダやダグトリオである。サンドパンがサンドと様子を窺った。ずしずしと足音を立ててやってきたのはサイドンとドンファン、そしてイシツブテを引き連れて転がってやってきたのはゴローニャである。コロコロ転がるのを見てウールーが同じように転がってくる。ケイファは集まったのを見て説明をするために口を開く。

「ドリュウズやモグリュー、ディグダやダグトリオは土を耕したりするのが得意だよ。サンドパンは様子を見にきてくれたみたい。爪で一応岩を砕いたり穴を掘ったりできるよ。サイドンとドンファンは地上にある邪魔な岩を壊してくれるんだ。イシツブテやゴローニャはずしんずしんって地面を固めてくれたり、岩を運んでくれる」
「白いこのポケモンは?」
「ウールーちゃんはね、転がるのが好きだから、ゴローニャが転がってるのを見て一緒に転がってきただけ」

 彩霞が吠えるとウールーがまた正反対にコロコロと転がっていく。はぐれたウールーを群れに合流させるためか、彩霞はそれを誘導するように吠えた。途中で別の犬がやってくるとその役割を任せて戻ってきたが。

「とりあえずこの下の部分を作らないと話にならなそうだな。大きさがいまいちわからんが」
「あっちにある建物くらいの大きさかなぁ」

 ケイファはそう言って普段住んでいる建物――ゲルの奥にある建物を指差した。

「大きいですね」
「あの建物は使えないのか?」
「あの建物の中にはねー、こおりタイプがたくさんいるよ。冬の間外に出れる子達がいる場所。冬になったら大きな扉を開ける」
「氷たいぷ……氷属性のポケモンもいるんですね」
「うん。彩霞とは相性が悪いかなぁ」

 そう言いながらケイファは地面にだいたいの大きさを書くことにしたらしい。木の枝を持って地面に書く。

「ケイファ、あまり住居に近くすると雪が落ちてきて潰れてしまわないか?」
「雪で?」
「この辺りは結構積もると聞くぞ。雪を捨てる場所も考えた方がいい」

 そう言って魚粛はケイファから十数メートル離れた場所に立ち、この辺りからの方がいいぞとつげる。魚粛の足元にぽこりと顔を出したディグダに、ケイファは「なるほどー」などといいながらそちらに向かう。木の枝で線をひいていけばディグダがそのあとをついていく。
 ――戦場とはかけ離れているのどかな状況だ。このあたりが戦場になりやすいことなど、忘れてしまいそうな。
 陸遜がそう考えていれば、つんつん、と足元を突かれてそちらを見る。そこにいたモグリューが手をあげた。

「ええと……?」
「リクソンさーん、モグリューが線引くから指示してーって」

 ケイファが遠くから手を振る。なるほどな、と思う。ケイファは随分と大きく距離を書いている。ケイファの住居が二つ三つ並びそうだ。ということはあの図面を見るに同じくらいだといいのだろう。

「ケイファ、細かく計らなくていいのか?」
「とりあえず後で測る〜」

 その発言に陸遜は苦笑いをした。とりあえず、陸遜が目分量で移動して、モグリューにこの辺りまで、といえばモグリューは地面に潜るとその場所まで一目散に進んでいく。岩が邪魔なら他のポケモンが動かしたり、日当たりの良い場所で寝ているポケモン達にどいてもらったりとする。
 魚粛が紐と木の棒を持ってきて、正確に縦と横の大きさを揃えて真四角にすれば、イシツブテ達が平らな岩を持ってきた。柱を置く用の石! とはケイファの言葉である。柱の数を数えてその通りに柱の石を置いていく。そこでも陸遜や魚粛がやはり多少は大きさの修正をする。
 なるほど、ポケモン達がケイファとポケモン達だけでやってはいけないというわけである。なんとなくで進めるのだろう。
 と、なると、だ。ケイファが省いた工程がある可能性がある。陸遜と魚粛は顔を見合わせた。これは一度確認したほうがいい。

「ケイファ、一度設計図を読んでほしいのですが」

 離れた場所にいた水色の象と戯れていたケイファはいいよーと告げて駆け寄ってきた。


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