ぽけもんばとるとは



「うーん」

 そう言ってケイファは何かを考えている。前にいるのは郭嘉だ。話はこうである。郭嘉はケイファが作る香油に興味があるのだが、ケイファが作る香油や香水はだいたい高いものである。とくにドレティアの花の香りなどは非常に高価だ。しかし、ケイファはこの世界の適正な値段がよくわからないのである。お昼時である。

「いつもはどうしてるんだ?」
「お手伝いしてくれてるお礼にちょっとわけたり、知らない人はお兄ちゃんとか隣の集落のお兄ちゃんの友達が交渉してくれてるから、よくわかんないんだ。でも、ドレティアちゃんの花の香りは目玉が飛び出るくらい高価って聞いたことはあるよ。そもそも、お兄さん多分よく使いそうだし、お礼の量じゃ足りないだろうし」


 うーむ、と悩むケイファは、しばらく悩んで、ポンッと手を叩いた。

「お兄さんがポケモン勝負でかったら、お兄さん専用の香水調合して売って、もしお兄さんが負けたら、売らないからお手伝いしにきて! ってことにする! こうしといたらお兄ちゃんが帰ってきた時に、多分怒られない!」
「怒られる怒られないのはなしではないでしょう?」

 荀ケの言葉に、まぁこれくらいの年なら適正価格も何もないかぁ、と馬岱がつげる。

「ポケモン勝負とは?」
「ポケモン同士を戦わせるんだよ。ケイファの家にはポケモン回復できる設備があるから怪我しても大丈夫」
「ポケモン同士を」
「戦わせる」
「うん! 人が指示を出してね、ポケモンが攻撃したり防御したり色々するんだ〜。ポケモンとも仲良くなれるし、ポケモンも強くなるよ!」
「もう少し説明が欲しいかな」

 少し困ったような顔をした郭嘉に、ケイファはうーんと悩む。

「ポケモンには十八のタイプ……えっと、属性があるよ」
「そんなにあるの!?」
「うん」
「確か、荀攸殿の報告にあがっていたね。草、炎、水、雷、氷、地面、飛行、虫、岩、毒、鋼、格闘、悪、超常、竜、般、精霊だったかな」
「コウタツさん達がわかりやすくしてるならそうなんだと思う。それで、ポケモンは最低一つ、最高二つの属性をもってるんだぁ。たとえば、靛はひこう属性だし、飛竜は竜属性と地面属性、魚粛さんの連れてる彩霞は炎属性。靛は進化したら鋼も追加されるけど、今は飛行だけ。マルはくさと飛行だよ」
「ふむ?」
「ポケモンは勝負で使う技を四つ覚えるんだけど、技にも種類があって……ううーん、どう説明したらいいかなぁ、説明が難しいなぁ」

 ケイファはそう言って考える。マルも同じく考える動作をした。

「ポケモンの技には、攻撃するやつと、防御するやつ、状態異常にするやつ、自分の能力をあげるやつ、相手の能力を下げるやつ、状況を変えるやつがあって、攻撃するやつも、ぶつりととくしゅがあって……」
「複雑そうだね、俺はよくわかんなくなりそう」

 馬岱の言葉にケイファはまたうーんと考えこんだ。少し考えていた荀攸がいつものように助け舟をだすように口を開く。

「……防御や回復はそのままの意味だとして、状態異常は状態を異常にするということですか」
「うん! 状態異常は、どく、やけど、まひ、こおり、ねむり、と、こんらんもいれちゃお」
「どく、やけど、ねむりはわかりますね。まひやこおり、こんらんとは?」
「まひはね、雷属性の技を受けた時にしびれてうごけなくなったり、素早くうごけなくなるよ。氷は凍っちゃうし、こんらんは訳がわからなくなって自分を攻撃しちゃう」
「では、状況をかえるは?」
「わかりやすくいうと天気を変えたりすることかなぁ。雨を数分ふらしたり、数分晴れにしたり、砂嵐にしたり……回復は体力を回復するやつと状態異常を回復するのがあるよ」
「ぶつりのこうげきと特殊の攻撃の違いは?」
「物理はねぇ、たいあたりとかつついたりするのがぶつり。とくしゅはみずでっぽうとか、ひのことか……うーん、体がぶつかるのが物理で体がぶつからないのが特殊かなぁ」
「なるほど。あとは能力を上げたり下げたり、かな?」
「能力を上げたり下げたりするのも、すばやさだったり、ぶつりのこうげきりょく、とくしゅのこうげきりょく、ぶつりのぼうぎょりょく、とくしゅのぼうぎょりょくを主に上げたり下げたりするかなぁ。で、ここでタイプの話に戻る」

 ケイファはそう言えば、徐庶が属性の話に? と首をかしげる。

「ポケモンには属性があって、基本的にその属性の攻撃技を覚えるよ。ポケモンの属性と攻撃の属性が一緒ならちょっと威力が上がったりする。で、ポケモンの属性には弱点になる属性があるだよ」
「弱点?」
「たとえば、マルは草タイプだけど、草は炎で燃えるでしょ? だから、マルは炎タイプが弱点。炎タイプの技があがると、効果抜群! 体力がいつもよりたくさんへっちゃう。逆にくさは大地に生えるし、水をたくさん吸収するでしょ? だから、地面と水の技はいつもの半分しか体力が減らないよ」
「では、寒さに弱いということは氷も?」
「うん、弱点。あとは虫や毒、飛行も草属性の弱点だよ。でも、マルは飛行属性でもあるから、ちょっと相殺されたり弱点が増えたりする。相性によっては全く効果がないのもあるよ」
「たとえば?」
「おばけは普通さわれないし、おばけからも普通さわれないでしょ? だから普通の技はお化け属性には通じないし、逆もそう。あとは、飛行属性は空に基本いるでしょ? だから、地面の技は飛行属性のポケモンには当たらない。雷は地面に吸収されるから、雷の技は地面属性のポケモンには効果がないし、エスパーはあく属性には効果がなくて、竜属性の技はフェアリー属性には効果がないよ」
「考えることがたくさんあるねー、俺はすぐわかんなくなりそう。なんていうか、軍師向きだね?」
「確かに、どちらかと言えば策を練ってという形だ」
「なんとなくは理解したけれど、手本を見せてくれると嬉しいかな」

 郭嘉の言葉に、ケイファはポンっと手を叩いた。なるほど! そうしたらいいのかー! と頷く。のしのしとやってきたウーラオスがケイファを見下ろしてひとなきした。

「ウーラオス、相手してくれるの!?」
「うぉ」

 そう短くないだウーラオスに、ケイファはピョンと椅子から降りた。そうしてマルを馬岱に預けた。

「マルは応援係ね!」
「!」
「マル殿はいいのですか?」
「ウーラオスはお兄ちゃんのポケモンで、とっても強くて歯が立たないし、マルはバトルあんまり好きじゃないから応援係! ルカリオー、ウーラオスと手合わせできるよー!」

 ケイファがそうルカリオに声をかければルカリオはダクマとリオルと共にやってくる。人がいるのに気づいてケイファに隠れたダクマと、人に片手を上げて挨拶したリオルに、ケイファは二匹は応援がかりね! とこれまた荀攸達に容赦なくあずける。まぁ、ダクマは飛竜の近くで落ち着いたようであるが。

「属性は?」
「ウーラオスは悪と格闘属性で、ルカリオは鋼と格闘属性! がんばろう! ルカリオ!」
「くぉ!」
「いざ、じんじょーに、しょうぶ!」

 ケイファがそう言えば、二匹はかまえるのであるが。


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