奇術師たちは嘘をつく―3―




 ――さて、今回は奇術師連盟による――まるで魔法の祭典!
 そう謳った司会者に、私達は横一列並ぶ。

「年齢はさまざま! 貴方達は彼らの番号を当てられるのか!」

 観覧席にヤマト達を見つけて私は少し安堵した。蘭ちゃんは保護者枠だろうし園子ちゃんもいるのは、スポンサーだからだろうか。いや、スポンサー枠で園子ちゃんが蘭ちゃんを誘った可能性はある。ヤマトはおそらく高遠さんと快斗くんを見つけたのだろう。なんとも言えない顔をしているのがみえて、薬と笑ってしまったのは仕方ない。

「いつもより人数が少なくない?」

 いつも番組に出ている芸能人の一人が私達を見てそう告げる。司会者はスタッフから話を聞いていたのだろう。

「今回は三人欠番があります」

 そう言って彼は手元の資料をみた。チラリと見えた資料には赤い線が引かれている。彼は残念そうに口を開いた。

「奇術師ではなく――魔女や魔法使いとしてうっかり裁判にかけられてしまって……遅刻しているのかも!」

 はははと笑った司会者に、出演者も笑う。そうして気を取り直して、と、司会者は口を開く。

「では、奇術師連盟からの挑戦状! 魔法の祭典を始めましょう!」

 司会者の言葉に私達は撤収する。スキャットさんだけが残ったのを見ると、おそらく彼が一番手だ。舞台袖に履けてから、リハーサル以降もすっかり私のそばにいるようになった少年――ベルというかわいらしい名前を名乗っていた――に合わせて屈んだ。

「君は何番?」
「次です」

 ということは三番だろうか。

「誰か見にきてくれてた?」
「いえ……あまり、とうさんやかあさんは……」

 彼はそう言って視線をずらした。先ほどからなんとなく思っていたが、あまり家族のことは聞かない方がいい話題なのかもしれない。

「あの、見ておいてくれますか」

 伺うように見上げたベル君に、もちろん、といえば彼は嬉しそうにして――スタッフに手招かれて舞台袖に向かった。私たちのやりとりをみて、周りにいた大人たちも同じくがんばれと応援しているのが見える。星河さんが私に問いかけた。

「さっきの子――ベルくんだったかな? ベル君はローズの知り合いかい?」
「いいえ、先程知り合って……大道芸をする私ではなく、よく公演をする皆さんの方があれくらいの年のマジシャンを知っているのでは?」

 私がそう首を傾げれば、彼らは首を左右にふった。高遠さんが口を開く。

「あれだけ小さければ、目立つ気がするんですけどね」

 クラッカーのような音がなる。そちらを見れば、スキャットさんがどこからか取り出した大きなクラッカーが炸裂したのか、綺麗な紙吹雪が舞った。

「奇術師連盟の挑戦――いや、貴方たちにとってはちょっとした魔女や魔法使いの祭典、お楽しみあれ!」
 
 ケラケラと明るく告げた彼の紙吹雪は2色。ううん、若干のネタ被りである。