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兄として、
「ああしてると普通の女子高生でしょう?」
そう呟いた高遠に、頷く。同級生と歩く近宮さんはまさに普通の女子高生だ。秀英に入れなくて正解でした、と呟いた高遠に明智警視が頷く。秀英に何かあるのか? と首をかしげてみるが、二人して「いえ」というだけだ。
「しっかし、お前に実の妹がいるなんてビックリだぜ」
「私も驚きましたよ。そんなものはいない、と思っていましたから」
「事件が起こるタイミングが違ったのも、彼女がいたからでしょうか」
「恐らくそうでしょうね。油断した私も馬鹿でしたが、明智警視も油断しましたね」
「ええ、何事もないのかと」
そう言った高遠も同じような体験をした人間らしい。眉をひそめた二人に、俺は視線を高遠に向けた。
「事件、本気で起こさないんだろうな?」
「言ったでしょう? 今は妹が一番大切なんです。あの子は私が守らないと、誰に何をされるかわかったものじゃありません。それに、あの子も危うい」
「危うい?」
「本人は黙っているつもりなんですけどね。毎日悪夢を見てるんですよ、遥は」
「悪夢、」
「そう、あの日の夢を、ずっと、ね。母の手を離せという言葉も、周りの視線も、落ちる感覚も、全て繰り返される。毎日、毎日。たまったものじゃないでしょう。だから、できるだけ側に居てあげたいんです」
地獄の傀儡子なんてしたら、遥と離れ離れじゃないですか。
そう言った高遠に目を瞬いた。なんやかんやと、高遠も妹ができて変わったらしい。
「高遠、変わりましたね」
「状況が変われば変わるでしょう」
高遠の視線が近宮さんに行く。笑顔で帰ってくる近宮さんを見て高遠が一言。
「遥は今日も可愛いですね。頬を殴った相手を叩きのめしてやりたいですよ」
あ、こいつ、地獄の傀儡子やめた代わりにシスコン拗らせたな。
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