13
魔法使いと呼ばれる由来
「遥、私、空飛びたい」
「鹿島くん、幾ら何でもいきなりは無理だよ」
「空飛ぶといっても、色々あるでしょう。箒とか、徒歩とか」
「またまた、遥さんも乗らないの」
「馬鹿野郎、空を飛ぶっつったら箒だろ!」
「みこりん……」
「箒ならあるぞ、はい」
「野崎くんも渡さない。っていうか、それ、教室掃除の箒だから」
一々突っ込む千代さんに、大変だなぁと思います。とりあえず、野崎くんから箒をもらいました。
「こいつ、いうこと聞きますかねぇ」
箒を眺めてそう一言。とりあえず、お姫様座りというか、横座りで箒に乗ります。それを見て、御子柴くんがどこかワクワクしたような表情で口を開きました。
「ジャンプとかはなしだからな!」
「な、わけないでしょう」
ふわりと浮かんで見おろします。タネは多分ありますよ、うん。動きが止まった周りに、そのまま高度を上げます。千代さんと御子柴くんはパニックのようです。野崎くんだけが拍手をくれました。遊さんは目をキラキラさせています。
「は? へ? え?」
「わー! すごい! 飛んでる! 私も相乗りしたい!」
一度降りて、箒にまたがります。後ろに跨った遊さんに、いっせーのーで、で軽く飛ぶと二人して宙に浮きました。再度固まる二人に対し、遊さんは「このまま堀先輩のところ行こうよ!」と切り出します。
「いくらなんでも、そのまま移動は無理だよね?」
「いいですね、行きましょう」
そのまま廊下を進み始めれば、千代さんが固まりました。というか、周りの生徒も固まりました。なにこれ、面白い。
「堀ちゃん先輩ー!」
「あ? かし、ま……?」
固まった堀先輩と周りに、地面に降ります。
「近宮、お前、」
「本領発揮してみました」
どこからともなく布を取り出し、箒に被せる。布を勢いよく外せば箒はない。起こった拍手にニコリと笑っておいた。後、先生に怒られたのは余談です。
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