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事件に巻き込まれました



 いつかこうなるとは思ってました。はい。いつかはこうなるでしょうと。
 しかし、できればスルーというか、遭遇したくなかったな、と思います。
 とりあえず言える事は、演劇部関係なので千代さんや若松くんがいなくてよかったという事でしょうか。彼らはピュア過ぎましおすし。
 まぁ、今回、はっきり言ってフラグは立ってましたよね。金田一くんと七瀬さんがいる時点で。
 あと、やっぱりクローズドサークルですね。やめてほしいです。

 そう苦笑いしながら、目の前にいる堀先輩と遊さんを見ます。些か顔は青いが、まだ平気そうだ。

「お二人とも大丈夫ですか?」
「あぁ」
「なんとかね」

 偶々、でした。遊さんがサボろう! と私を巻き込み、また堀先輩を巻き込んでやってきたマンションからの脱出ゲーム。そこに居合わせた金田一くんと七瀬さん。これはヤバイと引き返そうとすれば、閉まる扉、開かないそれ。もとは脱出ゲームなので、コンサートホーつと同じように妨害電波が飛んでおり圏外の携帯。そこで起こった殺人事件。
 これで人選がマジシャンズセレクトだとかいうなら、拍手を送りたい気分です。

「近宮さんはどう思う?」

 そう尋ねてきた金田一くんに遊さんと堀先輩、七瀬さんが知り合い? と首をかしげました。お互いにあー、と口を濁して、私は兄の繋がりと、金田一くんは明智警視からと言いました。ハズレではありません。

「検死しろと」
「近宮さん、そんなこと出来んの!?」
「兄の入れ知恵と言っておきましょうか。そうですね、さすがに触りたくないのでアレですが。パッと見は出血性ショックでしょう。凶器はアイスピックまたはこぶりなナイフでしょうか。あたりにないのを見れば、犯人は凶器を隠したのでしょうね。適当に漁れば出てくるかもしれません」
「犯人が持ってる可能性はないの?」
「拭き取った後がないのですが……血に汚れた凶器を遊さんは持っていたいですか?」

 そう尋ねると、遊さんは首を振りました。持っていたいと答えられても困るので、良かったです。

「彼女の知り合いの方はいませんか?」

 そう告げても名乗り出ないそれにため息を吐きます。

「まぁ、名乗り出ないならいいです。犯人云々ではなく、死ぬ可能性がある、ということなので」

 そう告げれば数人が顔を青くしました。知り合いか。金田一くんが首をかしげます。

「死ぬ可能性がある? 連続する可能性がある、つーことか?」
「ええ。1人を殺すためならクローズドサークルにはしないと思いますが。ま、先に犯人を捉えたら私たちは大手を振って帰れますよ」
「む、無差別殺人じゃないの!?」
「無差別殺人ならさっきの停電の際に全員に切りかかれば済むと思うのですが。綺麗に心臓辺りをひとさししてますし、計画的では?」
「逃亡した可能性はあると思うか?」
「クローズドサークルにするだけしといて?」
「だよなぁ」

 そう頭を掻いた金田一くんを見て息を吐きます。

「一応聞いておきますが、遊さんも堀先輩も知り合いの方じゃないですよね?」
「ああ、初対面だ」
「うん、会ったことないよ」
「でも。おかしいわね。このゲーム、2人以上で参加よ」

  七瀬さんの言葉に、私は遊さんを見ます。彼女はしっかりと頷きました。

「1グループ2〜4人での参加だよ」
「ああ? なら、もう1人知り合いが居ないとおかしいな。スタッフは把握してないのか?」

 堀先輩の言葉にずっと顔を青くしていたスタッフさんが、ええっと、と口を開きました。

「彼女は確か男性と、」
「男性? この部屋にいますか?」

  首を振ったスタッフに、金田一くんと目を合わせます。

「そいつが犯人で、逃げたんじゃない!? 隠れてるとか!」
「嫌な予感しかしません」

 嗚呼、駄目だ。思考が面倒になりました。

「近宮さん?」
「面倒になってきました。犯人はどう考えてもこの中にいそうですよね。面倒。1人がいないから探しに行こう、出口を探そう、で、暗闇移動、その間にもう1人殺害がセオリーですね。推論になりますが、その男性を探したところで彼は死んでる気がします。犠牲者は三人に増えた」
「お前の脳内でな」

 堀先輩のツッコミに椅子に腰掛けます。疲れました。

「まぁ、数時間経てば私のセコムが起動しますから数時間経てば助けはきそうですが」
「遥のセコム?」
「まさか」

苦笑いした金田一くんに、肩をすくめます。

「数時間たって連絡が取れなければ、兄が明智さん拾ってきてくれると」
「明智警視もかよ。つーか、高遠、マジでシスコンだな」

  金田一くんの言葉に肩をすくめました。シスコンは私も知ってます。

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