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Who wined his heart?
それは、まさに魔法使いといっても過言ではない。その少女の魔法にも似たマジックは、完成された芸術作品のような美しさがあった。
偶々足を運んだマジックショーで、こんなにレベルが高いものを見れるとは思えなかった。
思わぬ発見に、彼は頭を働かせた。そして、一つの答えに結びつく。そして、彼がそれを実行するまであまり時間はかからなかったのだった。
さてさて、どうしたものか、と思います。
窓際の薔薇が咲いていました。ガラスのように透明な花弁を持つそれは、蜉蝣と呼ばれる品種の薔薇です。エバーミング処理を施せばいいかもしれません。
まだ野崎くんの家に行くにも時間はあります。とりあえず、数枚写真を撮って、兄の許可を得てから花を数輪いただきました。
エバーミング処理は危険だから、と兄が代わりにやってくれます。それを眺めていれば、ピロリンと携帯が音を立てました。メールのようです。差出人は――。
「マネージャーさんからだ」
「マネージャー? ああ、彼か。なんて?」
綺麗に一輪ずつラッピングしてくれながらそう尋ねる兄は過保護です。複雑な心境になりながら、さっとそれに目を通してから口を開きます。
「まとめると、海外でちょっと仕事のトラブルがあったけど元気です。もう少ししたら日本に戻り、しばらくは日本に滞在する予定、だそうです」
「会わせません、と返信して」
兄の言葉に、兄を見上げます。会いたいと確かに書いていますが、私は読んでいないはずです。鋭い。
少しムッとすれば、兄は私の頬をつつきました。
「できましたよ」
そう告げて数本の包装された薔薇を渡されました。
兄は花を全てエバーミング処理する気でいるようで、ハサミを片手に席を立ちました。恐らくマジックショーにでも使うのでしょう。
薔薇の花を眺めます。そのまま時計を見て、慌てて立ち上がりました。予定していた家を出る時間よりも少し遅くなってしまいました。やってしまった。
行ってきます、と声をかければ、兄は行ってらっしゃいとだけ言葉を返します。数ヶ月前の「外出上の注意」がなくなっただけ良いとしましょう。
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