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兄弟はそう増えません
門のところに学ランを着た生徒がいました。そして、野崎くんが駆け寄るのも見えます。それをおって千代さんと御子柴くんが走っていくのが見えました。
「野崎くんのストッパーも大変そうですね」
なんとなくそう告げてみれば、近くにいた遊さんが首を傾げました。あなたのストッパーも大変なんですけどね。
「ああ、あの学ランの方は野崎くんの弟さんだったんですね」
「ああ」
アシスタント業務をしながら、千代さん達の会話に混ざります。真由くん、という男子中学生で柔道をしているそうです。身長が高いぶん、強そうですね。この兄にして弟あり、という感じでしょうか。野崎くんも長身ですし。
「というか、野崎くんに弟さんがいたんですね」
「妹もいるぞ。まぁ、近宮みたいな兄妹じゃないけどな」
「私の兄妹がオカシイだけですよ。私達みたいな兄妹がいっぱいいたら引きます。それこそ漫画の世界じゃないですか。嫌でしょう、そんな世界」
「いや、きっと探せばいるに違いない……!」
「探さなくてよろしい」
「堀先輩とかにいないだろうか」
「これ以上周りのキャラを濃くしてどうするんですか」
「でも、素敵だよね。そういう、知らない兄弟がいるって」
そう告げた千代さんはホワワンと笑っていますが、ここで少女漫画的なお約束を口にしておきましょう。
「そんなことを言って、千代さんの生き別れの兄が野崎くんだったらどうするんですか」
「えっ」
「それはないから安心だな」
「えっ」
私の言葉に何か妄想ワールドに足を踏み入れそうだった千代さんですが、野崎くんの言葉に現実に引き戻されていました。残念です。
「近宮の兄妹が増えるのを期待している」
「期待しないでください。私は兄は一人で十分です」
嫌な予感がするので、本当にそういうのはやめていただきたいですね。
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