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靴箱にお手紙、フラグです
レトロです。靴箱の中に手紙が入っていました。宛名は私ですが、手書きではなく機械で印字されたそれ。裏を返せば、差出人は――
「ローゼン、クロイツ?」
書かれていた文字に顔をしかめてしまいました。隣にいた遊さんがヒョコリとそれを覗きこみます。
「なになに? 遥、ラブレター?」
「……だと、いいんですが」
そう告げて手紙をチェックします。毒などがしかけられている様子はありません。一通り確認すると、手紙を開いきました。隣から覗いた遊さんが思いっきり顔をしかめたましたが、気にしないでおきましょう。
「なにこの殺人事件が絶対おこるようなフラグ」
彼女の言葉に賛同します。いつの間にかフラグがたってしまたようです。二人して手紙を眺めていれば、背後から声をかけられました。堀先輩です。
「……何やってんだお前ら」
「堀ちゃん先輩、また遥が事件引きましたー!」
「近宮、おまえ、またか」
「やめてください。私が事件をひくわけではありません。事件を引くのは金田一くんです」
「金田一と遥が会うと絶対事件が起こるね」
「最近、もう心決めるもんな。近宮・金田一・七瀬が揃った瞬間」
そう言った堀先輩と頷いた遊さんに複雑な心境を抱きます。私は死神ではありません。いえ、前世では死神みたいなことをしていましたが。それに、確かに私と金田一くんが揃えば事件が起きるのです。暗黙の了解ですが、突っ込まれたのははじめてです。私は息を吐きました。
さて、手紙の内容を要約しましょう。
青薔薇が出来ましたので披露会をします。来ないと貴方の友人を殺しますよ。
……私の靴箱にこれを入れたのはその脅しのためでしょう。靴箱に入れたということは、差出人は私の生活範囲を知ってるということで。
もう一度息を吐き、携帯電話を手にします。コール先は兄です。ちなみに兄は今マジックの仕事で私の家から離れているのです。家に帰ってもいません。
しかし、そこでやめました。
兄はおそらく止めるでしょう。というか、私に何故招待状が届いたのでしょう。ホテル火災に遭遇したわけでもありません。私の兄は高遠遙一です。
妹、いや、姉――でしょうか。
この世界にもう一人兄妹がいたのなら?姉が私に会いたがっている?しかし、私は犯罪者ではありませんからスケープゴートにもなることはできません。 ならば、殺されるのでしょうか。
「……行くのか? それ」
「はい。おそらく差出人は私の生活範囲を知っています。学校で何かあると厄介ですし、行ってきます。おそらく事件がおこるでしょうし。何もなければ青薔薇見て帰ってきます」
私の言葉に二人は顔を見合わせました。生きて帰ってこいよ、と堀先輩に言われました。先輩、それフラグです、とは言えず。苦笑いだけしておきました。
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