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金田一に七瀬、ええ、フラグです



 電車とバスを乗り継いでやってきたのは、薔薇十字館です。
 目の前の薔薇のアーチをくぐり抜け、玄関の扉をノックします。しばらくすると開けられた扉。中へと促され、視線がこちらに向きました。私も辺りを見渡します。金田一くんや兄がいるかもしれない、と思っていましたがいません。代わりに高校生が三人と兄のような服を着た男性が一人いました。見覚えがあるような姿に首をかしげます。向こうはほんの少しだけ目を見開きましたが、すぐに元に戻りました。とりあえず、高校生と目があったので笑って挨拶をしておきましょう。

「こんにちは」
 
 そのまま私は周りを見渡します。薔薇が美しい。

「貴方もこの館に招待されたの?」

 そう尋ねてきたのは、たしか、冬野さんという方だった気がします。

「はい。楽しみですね、青薔薇」

 ニコリ、と人の良い笑みを浮かべていれば、着物を着た女性――禅田さんでしたか――が私に尋ねました。

「失礼だけど、貴方は?」
「私の名は近宮遥と言います。職業柄薔薇の花を扱っていたので……」
「職業がら?」
「劇場関係の仕事ですよ。演出に薔薇の花は欠かせないでしょう?」

  彼女の問いにそう答えると納得したらしい。あら、そうなの、と告げられました。その後は毛利さんに連れられ、個人の部屋に通されます。私の部屋は同い年ぐらいの女性の隣でした。

「こんにちは、えっと?」
「あ、私は七瀬春奈っていいます。で、こっちが幼馴染の」
「金田一涼でーす!」

 そう軽く告げた彼に目を瞬きます。金田一、と、七瀬。これは偶然でしょうか。金田一さんは目ざとく気付いたのでしょう。

「どうかした?」
「いえ、……もしかして、金田一一君と七瀬美雪さんの知り合いですか?」
「え! お姉ちゃんと知り合いですか!」
「一兄と知り合い!?」

 そう告げて驚いた彼らに、なるほど、親戚だとわかります。「えぇ、少しばかり」といえば、彼らは目を合わせました。関係までそっくりのようです。もう一人、彼らの先輩の真壁さんも紹介されました。

「先ほどの男性は?」
「あ、あいつは遠山遙治っていいます」

 そう答えた彼に名前を思い浮かべます。イニシャルは兄と同じT.Yです。そのまま少し雑談し、部屋にいても暇なので館の見取り図を眺めます。鳴ったスマートフォンの画面を見れば、兄からでした。
。どうせ説教されるんですし。兄は結構過保護です。

「はい、遥です」
「遥、よかった繋がった。金田一くんと事件に巻き込まれたから、帰るのはしばらく後かもしれない」
「奇遇ですね、私もです。招待状を頂いたのでそちらに身を寄せています。二、三日家にいません」
「……招待状?」
「青薔薇披露会に誘われました」
「……、……遥。ワザと黙ってたね」
「だって、許してくれないでしょう?」

 そんな会話をしつつ、青薔薇を見ていればスッと影がさします。誰か来たので切りますね、と告げ説教中の電話を切ります。向こうも向こうで叫び声が聞こえたので、どうせきれていたでしょう。後ろを振り返れば、金田一くん達と一緒にいた男性――遠山さんがいました。私を見下ろした彼に、私は首をかしげます。結構な至近距離です。

「君はどうしてここに?」
「招待状を頂いたので、楽しそうなのできました。えっと?」
「ああ、僕は遠山遙治。フラワーアレンジメントをしてる」
「私は――」
「近宮遥。近宮玲子の娘で、有名なマジシャン、だろう?」
「おや、知ってる方がいましたか。びっくりです」
「遠山様、近宮様。夕食の準備ができましたので、ダイニングへ」

 そう告げた毛利さんに、はい、と告げます。他の方を呼びに行った毛利さんから目線を遠山さんに移しました。彼は息を吐いて、行こうか、と告げます。鳴る携帯電話の電源を落とします。電源が切れました、などといえばいいでしょう



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