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どこかのフラグを回収しました



「そうか、あの時、君と彼をあわさなければ、君は犯罪者になっていたのか」

 そう告げて現れたのは高宮さんでした。勿体無いことをした、と言った彼の問いに、私も兄もお互いにそうなった可能性は十分にありますよ、と告げます。
 周りはなんとも言えない表情を浮かべました。彼は私を見下ろすと髪をすきました。彼には戸惑いはもうありません。あるのはジゼルに対する怒りかもしれません。
 高宮さんは続けます。エピローグはもっと美しくないと。そう告げた彼に心の中で賛同しておきます。
 その不意を取られた形でした。ジゼルさんが私の手を引き、二人の首元スレスレにあの毒を塗った薔薇を突きつけたのです。完全なるとばっちりです。
 「妹が死ぬところを見せてあげるわ」だなんて告げる彼女にどうしたものかと思います。高宮さんは怒っています。ふむ、参りました。金田一くんが説得しますが、聞かないみたいです。その瞬間でした。聞きなれた声が聞こえたのは。

「うちの妹に手を出さないで頂きたい」

  聞こえた声に、ジゼルさんや周りががハッとしたように館の方を見ました。兄がいます。少し顔をしかめています。やぁ、と手をあげれば彼はため息をつきました。その瞬間でした。というか、その隙が十分だったのでしょう。高宮さんがナイフを投げ、薔薇は木でできたテラスの一部に刺さります。ジゼルさんは私を離し、そのナイフを取りました。次に動いたのは兄でした。兄は薔薇の花を出すと、それを投げ、彼女のナイフを持った手に刺します。手からナイフが落ちました。私はナイフを蹴飛ばして、例の薔薇を回収しておきます。兄が指を鳴らすと薔薇が散りました。

「妹に手を出さないで頂きたいですね。貴女の私情にあの子は関係ないでしょう」

 そう告げた兄は怒っています。殺気が飛んでくるのは気のせいではありません。バトル漫画なら周りがすごい殺気だ!とか言うんでしょうか。高宮さんがそれを見て少し目を見開きました。
 金田一くんが高宮さんが妹に会いたかったから来たのだと告げます。誰も知らない家族に会いに来たのだと。彼女は膝をつき、泣き出しました。これにて一件落着でしょう。
 私は兄を見ます。兄は高宮さんを見ていました。どうしてここに来たか、という話は後で聞いた方が良さそうです。
  私はジゼルさんに近づきました。

「ジゼルさん、いえ、姉さんと呼ぶべきなんでしょうか。……姉さん、私たちには確かに、高宮さんと同じ血が流れています。けれども、たったの半分です。全てではありません。貴女のもう半分の血は優秀な薔薇のブリーダーだった貴女のお母さんの血です。お互いに、血に誇りを持ちましょう? 姉さん」

  私の言葉にジゼルさん改め姉さんが抱きついてきました。殺されるかと思いました。が、それは余談でしょう。私は彼女を抱きしめておきます。彼女が犯罪を起こす前に、私達にあっていれば変わったのかもしれません。推測でしかありませんが。
  空はやはり快晴でした。



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