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部活動、ちゃんとしてますよ。



 新しい演目の練習が始まりました。
 どうやら私は民衆側の人間のようです。ダークヒーロー的なそれ、また、最後に王子に思い人を取られることを思うとオペラ座の怪人のファントムでしょうか。この前はフロロー判事みたいな役柄でしたが。悪役じみたものが多いですね。
 ……人形や銅像の役は嫌ですよ。ガラスの仮面みたいじゃないですか。
 本日はメインの悪役が休みなので、誰がするんだろう、と思っていつつ遅れていけば若松君がいました。雰囲気が違います。眼帯のせいでしょうか。何処か引いてる3人――堀先輩、遊さん、野崎くん――に、近づけば、2人は私を見ました。

「遥」
「どうしたんですか、あれ」
「若松が思いの外、馬鹿だった……」

 そううな垂れた野崎くんと遊さんに、堀先輩を見ます。答えになっていません。こういう時にしっかりと答えてくれるのは堀先輩だけでしょう。

「鹿島が眼帯つけたら強くなるみたいなこと言って」
「自己暗示にかかったんですか。なるほど、可愛らしいですね」

 そう返せば、頭を抱えた堀先輩は、次は近宮のシーンからだがいけるか? と尋ねてきます。大丈夫ですよ、と告げて遊さんから剣を借ります。

「次は近宮先輩が相手か?」
「うーん、殺陣、演技に入る前に、こうしましょう」

 若松君をまっすぐに見れば、若松君もこちらを見ました。

「私は魔法使いです。今から貴方に魔法をかけます。この演技に、殺陣が終われば貴方の眼帯が外れ、元に戻ります」
「……」
「さぁ、始めましょう」

 ニコリ、と笑い、剣を構えます。

『卿、民衆の怒りを受けるがいい』
『民衆の怒り?お前の怒りだろう?』
『ああ、そうだ。彼女を、彼女の人生を滅茶苦茶にしたお前への怒りだ』
『ならば、怒りの矛先は間違っているだろう。お前が怒るべき相手は、王子だからな』
『……俺は、彼女が幸せならそれでいい。だが、それを脅かす奴は、許さない!』

 その台詞を合図に剣での殺陣が始まります。カンカンとリズムよく刀がぶつかり、時に溜めが入ります。そのまま手元が狂ったフリをして、「あっ」という声とともに剣を眼帯に。眼帯をうまい具合にとったそれに、堀先輩が止めました。若松君は固まったままです。

「あれ、なんで俺、舞台に……?」

 その言葉と共に?マークを大量にだしている若松くん。ライトを避け始めた彼に練習にならないからとまた自己暗示をかけるのには時間はかかりませんでした。



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