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近宮遥の消失―序章―
高宮さんから珍しくメールが来ました。時間があるのであれば、会いませんか?というそれです。この前の看病のこともあるので、オッケーと返事をしました。兄にバレないようにしなければいけません。まぁ、犯罪者と会うわけですし、当たり前でしょう。
堀先輩に部活を休むことをつげ、学校を出ます。校門の外にいたその人に眉間にしわを寄せます。最近よきあつき纏われているその人は、私を見て、やぁ、と手をあげました。
「何故ここに? 私はやらないと、言ったはずですが」
「そんなこと言わずにさぁ、ね? 社長も君をおしてるんだ」
そう言ってくる人に、やりません、と断りを入れて進みます。頼むよぉ〜、となんとも情けない声を出してきた男を撒こうと角を曲がれば、ドン!と誰かにぶつかりました。
すいません、と謝り顔を上げればいたのはピエロです。大道芸の方でしょうか。どこか、見覚えのあるピエロです。しかし、パチリ、という音にピエロの手元を見ます。スタンガンです。
後ろにいた男が、なんだ、ピエロ?と口にしました。
「安岡さん、逃げてください」
「なん――」
「はや――」
はやく。そう伝えたかったのですが。
ピエロはスタンガンを私に当てました。痛みとともに視界は真っ黒に染まりました。ああ、これは久しぶりに、嫌な夢を見てしまいそうです。
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