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近宮遥の消失―2―
高校に足を踏み入れ、事務員に要件を言えば演劇部は体育館だと言われる。来校者用の名札をさげて、体育館へ進めば演劇部は終わるところだったらしい。何かを話していたようだが、鹿島が「あ、遥のお兄さん!」と言ったことにより視線が二人に向いた。ざわざわ騒ぎ出す部員に、堀が一喝を入れる。そして、二人の前にやってきた。お久しぶりです、とあいさつした堀に二人は似たような笑みを浮かべた。
「久しぶりですね」
「久しぶりだね」
「……一葉、いつ知り合ったんです?」
「ついこの間、遥が風邪をひいた時にね」
「……何かご用ですか?」
バチバチと火花を散らしそうな勢いのそれに苦笑いし、堀は首を傾げた。
「ああ、遥を知らないか?」
「近宮なら、今日はお兄さんと約束があるから休むって帰りましたよ」
「それは何時ぐらいだった?」
「あれは確か――鹿島ー!お前が近宮に連れられて今日来たの、何時ぐらいだった?」
「三時半くらいでーす!」
「……だそうで。なんかあったんですか?」
「約束の時間になっても遥が来なかったんだ」
「約束の時間は?」
「四時」
「珍しいな……近宮が遅れるなんて」
そうぼやいた堀は少し考えを巡らし、「野崎ん家でも寄ってんのか?」と首をかしげる。
「野崎くん家、ですか?」
「ああ、えっと、佐倉と手伝いに行ってる可能性が……よければ案内しましょうか? もう部活終わるんで」
「頼みます」
そう答えた高遠に、じゃあ、と堀は集団に戻る。メールはまだ来ない。
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