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近宮遥の消失―3―
「近宮? 来てないな」
そう答えたのは、野崎だ。後ろから顔を出した佐倉が「今日来れる? って聞いたら、お兄さんと会うからって言ってましたよ?」と首を傾げた。ちょっと嬉しそうでしたと付け足したそれに、勝ち誇ったような笑みを浮かべた高宮に、高遠が足を踏んだ。二人とも笑顔を浮かべてはいるので、水面下の争いである。
そんな様子を見ていた野崎が、あ、と声を出した。
「……金田一に会って事件に巻き込まれてるのかも」
「金田一くんと?」
「金田一くんと?」
思わぬところで被った言葉に遙一は高宮をにらみ、高宮は遙一を見た。野崎は、ええ、と続ける。
「今日行く場所は金田一くんとよく会うとかなんとかぼやいてましたから」
「近宮と金田一が会ったら絶対事件起こるからな……」
そう言って堀と佐倉は遠い目をした。
遙一はそれをみて、「あれは金田一くんが事件を釣り上げてるだけですよ」と答える。
「すれ違いで家に帰ったんでしょうか」
「それか、金田一くんと事件に巻き込まれてるか、だ」
そう結論を出した二人は野崎家を後にする。振り出しにもどる、である。
高宮と遥の待ち合わせ場所に戻れば日は暮れかけている。メールは未だ来ない。
帰る道のりが途中まで同じだからと一緒に歩いていた堀も、コレばかりは首を傾げるしかない。もう家に帰ろうか、と話していれば声をかけられた。
「あれ? 高遠と堀先輩じゃん」
「なに? 一兄のしりあ……あーー!!」
声をかけたのは金田一一。叫んだのは金田一涼。叫び声に一斉に視線が四人に向いた。
そこからの行動は早かった。高宮は涼の口元を手をふさぎ、高遠は金田一と堀の手をひいた。
なんだなんだと意味がわからないまま連行される三人は目を合わせて悟った。
――絶対に、ややこしいことに巻き込まれた!と。
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