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近宮遥の喪失―2―
「遥〜、忘れるなんてひどいよー!!」
そう言って遥を抱きしめたのは鹿島である。鹿島をパチパチと目を瞬いて見ると、口を開いた。
「王子様がいる。役者さん?」
「お前の同級生。鹿島遊」
「でっかいのとかっこいい人と、可愛い子は?」
「同じく同級生だな。野崎と佐倉、御子柴」
「遥さん、」
「なぁに?」
コテン、と首を傾げた遥に、野崎が「純粋だな」と呟いた。
佐倉と御子柴は泣きそうであるし、野崎は遥をじっと見た。堀がちょっと席を立つから、と言って離れると、佐倉が遥の手を握る。
「遥さん、記憶戻ったらお祓い行こうね!」
「お祓い、効果あるかな?」
「ある! 絶対!」
そう言った佐倉に、遥はそっか!とにぱりと笑った。それを見て五人が顔を合わせる。
「なんだろう、普段見せないというか、ないんじゃないかなとさえ思ってた、遥のこの純粋な感じ。可愛い」
「遥さんが可愛い。何時ものイメージがまるでない。可愛い」
「なるほど、こうすればキャラチェンジが容易にできるわけだな」
「?なんのこと?」
首を傾げた遥に何かを思いついたらしい野崎は「あ、」と声を上げた。
「野崎くんと千代ちゃんが生き別れの兄妹で、鹿島くんは魔法使いに性別変えられて、御子柴くんは魔法使いで、堀先輩は少女趣味で人形から人になったから低身長なの?」
「おい誰だ嘘教えたの」
堀が帰ってくれば、騒がしい病室。
話を聞けばそう答えた遥に堀はピキリと青筋を立てた。目線をサッと外した四人に堀は一発ずつ殴った。いや、鹿島だけ二発殴られている。
「うそ?」
「ああ、嘘だ、嘘」
「誰が嘘ついたの?」
「あいつら」
「わたしは?」
「遥は嘘ついてないよ。私達が言わせただけ」
「そっか」
にぱりとまた笑った遥に、可愛いー!と鹿島が抱きつく。
それを見た堀が、ああそういや、と遥に何かを渡した。円錐型のそれはネックレスらしい。宝石のようにキラキラしていてとても綺麗に見える
「俺の同級生の火祀からだ」
「火祀先輩?」
「ああ、あの近宮と何気に仲がいい……」
「わー、なんか綺麗だね!」
「なんか厄除けらしいぞ」
「遥、貸して」
遥が鹿島にそれを渡せば、鹿島は遥につける。そして、耳元で囁いた。
「似合ってるよ、お姫様」
その言葉に遥はきょとんとする。
「ここで顔を赤くしないのが近宮らしいな」
そう告げた野崎に、こくんと堀が頷いた。
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