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捜査タイム-1-




 さて、最初に第一現場に向かいます。山ノ内さんが殺されたそこです。控え室から直線の廊下、途中の分かれ道は階段だけですが、上は少し昇るだけですぐに屋上からに通じる扉が有ります。下は改装工事のために使用不可。背の高い野崎くんが覗き込んでくれましたが、どうやら板がはずされているようです。屋上についじる扉、は。

「空いてるぞ」

 火祀先輩が扉を開けました。もちろん手袋をはめています。彼はそういうところは律儀です。

「でも、警備さんに話を聞いたら朝は閉まってたっていってたよ」
「あのグラスタワーは一昨日からあるって言ってたな」

 そう言った遊さんと御子柴くんに、色々聞いてくれていたんだろうとわかります。火祀先輩と堀先輩が屋上に上がり、私たちはそのまま部屋に向かいます。部屋の中は遺体があった場所にテープが貼られていました。奥にはグラスタワーです。グラスタワーの奥の扉が開き、火祀先輩と堀先輩が現れます。扉は外開きのようです。

「逃走経路はここしかない。屋上から飛び降りれる箇所はないし、飛び移れる場所もない。雨樋もないからつたうこともできなきゃ、他に出入りできる場所もねぇよ」
「さすが火祀くん、よくわかってる」

 そう笑いながら言えば、火祀先輩は眉間にシワを寄せました。しかし、普通はそこまで見ませんよ。そのままグラスタワーに目を移します。

「……濡れてる?」
「あれ? 本当だ」

 一緒に覗き込んだ遊さんはグラスに付着した水滴を見ます。私はグラスタワーのトレーの下にひかれた布を見ました。布をめくってみれば下に水槽があり、水槽には水が溜まっています。……ふむ。

「なんとなくわかりましたが、この場所でそうしようとすると必要ななものがありますね……蘭堂さんの殺害現場に行ってみましょう」
「え? なに? 遥さん、どういうこと?」
「ぐらついてしまうなら、固定してしまえばいいんですよ。千代さん」
「赤尾」
「ごめん、堀ちゃん、つい」

 堀先輩のおしかりの言葉に、そう眉尻を下げて謝っておきます。

「固定する? 固定するってことは接着剤か?」
「接着剤なら今もくっついてるじゃないか?」
「御子柴の言う通りだよ、野崎……んー……赤尾くん、ヒントー」

 そう言った遊さんに、遊さんなら気づきそうですけどね、と言います。火祀先輩が「水だろ」と言って、遊さんが何か閃き、他は首をかしげました。

「水?」
「え? 水?」
「なんで水なんだ?」
「水でどうやって固定するの?」
「あー! でも、どうやって凍らせるの?」

 そう首をかしげた遊さんに、答えを口にしていますね、と、どうでもいいことを考えます。

「凍らせる……ああ、なるほど、グラスごと……でもどうやるんだ?」
「さて、問題です。触れればほとんどの物を凍らせてしまえるものはなんでしょうか」

 そう言って、蘭堂さんの現場に向かおう、と再度告げます。恐らく彼女の控え室か現場にあるはずです。
 ……と、なるとやはり彼は蘭堂さんに殺されたことになるでしょうか。しかし、蘭堂さんも死んでいます。自殺でしょうか。謎は深まるだけです。



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