エクシード ワールド-3-


「オトハちゃーん? あの金は何処で手に入れたのかなぁ?」
「決まってるじゃん、投資して稼いだ」

 ソファに座ったオトハはあたりまえだという顔でコウキに告げる。

「三日間であの金額を稼いだ?」
「うん」
「おいおい、何の話をしてるんだ」

 その話が聞こえていたらしい周りがなんだなんだとやってくる。

「さっきね、ザップさんのせいでダイアンズダイナーの一部が壊れた上に店内がごちゃごちゃになって」
「ザップ、修復代は出せないぞ」
「スティーヴィー、その前にオトハちゃんが払っちまったから問題なんだよ」
「は?」
「いや、研究費というか材料費が必要だったのでちょっと投資して稼いだだけですよ。技術はうってません。怖いです、スターフェイスサン怖いです。黙っててすいません。私がいなくなったらライブラに寄付しますというかスターフェイスさんに渡すので許してください」
「……投資って何処に」
「ヴァルハラ・ダイナミクスっていう軍事企業ですよ。ちょちょいと三割ほどの株主なうです」

 オトハの言葉に一部が「ああ、あの、」と顔をしかめる。それにアスカが首をかしげたが、恐らく何かでもめたんだろうと結論を出した。

「一応聞くが、どうやって?」
「外貨の為替から徐々にランクを上げて。まぁ、3日ですし。ここにスターク・インダストリーズがあれば吸収してたかもしれません」
 なかなかいい発明をするようですし。武器ばっか作るとかもったいない。

 サラリと告げたオトハに周りは頭を抱えた。オトハは首を傾げて、「そういえば」と口を開く。ポケットから取り出した小型の機械に、チェインは「それ」と声を漏らした。

「コレ、出る前に言ってたやつなんですけど」
「あれ、オトハっちの世界の発明品?」

 ふらりと現れたK.K.に、オトハはええ、と頷く。スティーブンが手に取り、まじまじと見つめる。チェインもソレを見つめた。

「さっきの機械だ」
「さっきの?」
「猿が暴れた時、オトハちゃんがコレを起動させたんです。そうしたら、瓦礫がまったく飛んでこなくて」
「まさか、シールドか?」
「ええ。その反応を見ると、こっちの世界って矛ばっか売って盾を売ってないんですね。コレは電磁シールドです。起動させると目に見えないバリアのようなものが張れます。まぁ、耐久や持続の問題はあるんですけどね。ここを押せば起動します」
「――試してみよう。ザップ、コレを起動させてもて」
「へ?」
「今から、俺とK.K.、ツェッドとコウキが攻撃するから耐久のテストだ」
「え、ちょっ」

 慌てるザップに、チェインが姿を消した状態から姿を現しスイッチを入れる。そしてまた消えてオトハの隣に並んだ。当初は驚いたオトハももうなれたらしく、チェインがいきなり現れても落ち着いている。オトハは助けるように視線を向けたザップに、ご愁傷様です、と告げ、シールドの稼働範囲だけを教えてラボに戻った。部屋からはザップの悲鳴に似た声が聞こえた。


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