
エクシード ワールド-7-
「諸君らが聞いていたとおり、数名オトハの世界にいって帰ってくることになった」
オトハとスターク、バナー博士が画面越しで作業を進める傍らで、スティーブがそう切り出した。
「といっても、クラウスとレオナルドは決まりだな。コチラに戦力を残しておきたいので、後数人というところか。俺はコチラで何か合った時のために残る」
「オトハさんの世界ってことは、普通のニューヨークですよね」
ツェッドの言葉に作業をしながらオトハは「まぁ、ヒーローはいるけどね」と肩をすくめる。画面の向こうにいたバナー博士が苦笑いする。確かにヒーローがいるようになった時点で普通ではない。
「僕は向いてないので残りますよ」
「ハイ!」
オトハが作業の手を止めて手を挙げる。
「どうかしたのか? オトハくん」
「別にツェッドさんきてもいいとおもいます!」
「おい、えらくそのツェッドとか言うやつを擁護するな」
画面越しでそう告げたオトハに、「だって!」と声を上げる。オトハがズルズルとツェッドを引っ張ってきた。
「――それがツェッドか?」
「そ! 半魚人なんだって! 血界の眷属に作られたんだって!」
「作られた?」
「まさか、DNAをいじったのか?」
「そうらしいよ」
そこからズルズルと始まった科学者の会話にツェッドは戸惑っている。もっと半魚人であることに畏怖されると思ったが違う反応であったからだ。スティーブンはそこから視線をそらし、「ツェッドとザップ、それからお目付け役にコウキか」と口を開く。
「マジすか!」
「はい、スティーヴィー。コイツ連れてったら限りなくコッチ戦力ダウンだけどいいの? K.K.さんとスティーヴィーだけで持つか?」
「じゃあ、ザップはコチラに残ってもらおう」
「えー――」
「文句あるのか?」
顔をしかめたコウキと笑顔のスティーブンに同時にそう言われてザップはブンブンと首を左右にふる。この二人ほど敵に回してはいけない人間はいない。コウキは息を吐くとまだまだ会話するオトハを見てぼんやりとする。周りはそれを見てため息を付いたのだった。