
エスケープ フロム エマージェンシー-1-
ガン!と揺れた衝撃に乗っていた人間は顔をしかめる。運転席の前――正しくはコックピットの前のレドームに乗った吸血鬼――ハミデフに、レオナルドが小さく悲鳴を上げた。
「追い払おう」
そう告げたのはソーだ。ヒッチを開けると「無理です」と止めるツェッドを無視して飛び降りた。
「無謀だ」
「吸血鬼が何だ、アイツは神様だぞ」
アイアンマンを装着したスタークがそう告げる。それからすぐのことだ。ドン、という音と主に飛行機が揺れ、コックピット前にいたハミデフがハンマーにふっとばされたのは。
落下していくそれに、スタークが「追撃したいところだが……」と顔をしかめたのがわかる。クラウスとツェッドが目を見開いたのも。それを見てレオナルドは、あ、と声を上げた。
「スタークさん、じっとしていてください」
「なんだ?」
「僕の目を一時的につなげます。これで血界の眷属が見えるはずです。時間制限ありますが」
「そんなことができたのか。――まぁ、ものは試しだな」
そう言ってアイアンマンを着たスタークがヒッチから消える。
急降下でハミデフを見つけると、「なるほど」と呟いた。ソーはハンマー――ムジョルニアでそのまま落とすつもりらしい。ムジョルニアに轢かれた、ハミデフがおちていた。
それを見てアイアンマンはリパルサーをハミデフに撃つ。ぐるりとスタークのほうにハミデフが向いた。
地面につくかつかないかの瀬戸際でムジョルニアから逃れたらしいハミデフが目に怒りを灯してソーとスタークを見た。おっかないな、とおどけてみたものの、ソーは眉間に皺を寄せるだけだ。スタークがリパルサーを打ち込むが、ハミデフにはあまり効いていないようである。
「ダメージをあまり受けていないようだ」
「そのようだ――と、その前に団体さんもお出ましだ」
スタークはそう言って周りを見る。周りは屍食いが囲んでいた。それと同時に、スタークの視界からハミデフが消える。おそらくレオナルドが施した何かが消えたのだろう。
「――ソー、残念ながら僕は吸血鬼が見えない」
「なら俺がアレを相手にしても文句はないな」
「文句をつけたいところだが、僕は周りのゾンビを倒そう」
ブン、と、ソーがハンマーを回す。スタークは周りに向けて掌を向けた。