
エスケープ フロム エマージェンシー-2-
「本当に、血界の眷属に攻撃が効いてる……何者なんです? 彼」
「神様らしいぞ」
「雷のね」
「かみ……?」
そう告げたツェッドは下に広がる街を見た。最初に見たそれとは違い、混乱しているのがすぐわかる。子供を屍喰いが襲おうとしているのを見て、ツェッドは宙に飛び出した。「オイ!」とホークアイが叫ぶのを聞いて、キャップが「私もおりよう」とパラシュートを装備する。連絡は無線を入れてくれ、との声に、レオナルドは「えええ」と声を上げた。
盾を構えたキャップはそのままヒッチから飛び降りていく。それを見てクラウスはレオナルドを見て、ブラック・ヴィドーとバナー博士、ホークアイ、コウキを見た。
「私と博士は後で合流するわ」
「上からサポートしてやるよ」
「じゃあ、俺も後で合流かな。すぐ追いかける」
そう言って笑ったホークアイは弓を構えてヒッチに立った。クラウスはそれを見て「頼む」と告げると、レオナルドを抱えたまま下へ落下する。ビルに十字架を突き刺して器用に降りていくクラウスに、ホークアイは少し笑みを浮かべた。
「おいおい何でもありだな」
そうホークアイは呟いて、二人の落下地点に弓を射る。地面に突き刺さった矢は爆発し、まわりにいた屍喰い達は吹っ飛んでいく。
「う、わわわ、」
レオナルドがそう叫んでいるうちに着地したクラウスは、前方を眺めた。前方にはスタークビルが見える。
「こんなことがなければ、観光でもしたいところだが」
「ク、クラウスさん、ここを突っ切るんですか?」
そうレオナルドが言ったのにはわけがある。乗り捨てられた車に、屍喰いが大量にいたからだ。
「うむ、それしかあるまい」
クラウスはタワーを見る。タワーの近くで煙が上がったのを見ると、恐らくそこに吸血鬼がいるのだろう。レオナルドは決意を決めて、前を見る。タワーまでの道のりは長そうである。