
エスケープ フロム エマージェンシー-5-
「チェイン、どうだ?」
コウキの連絡を受けてすぐだ。スティーブンはチェインに目配せで指示をだすと、チェインはすぐに消えた。
そして今、スティーブンはザップとともに車に乗り、例のビルへと向かっている。その途中である。K.K.は現地集合だ。
「確かに異様な音と、時々ですが、どこかの部屋が見えます」
「ということは、コウキの言っていたことは本気だな」
息を吐いたスティーブンにザップは首を傾げた。
「でも、なんのためにつなげたんスか?」
「さぁなぁ。無効からの情報が全くないから何も言えないが。もしかしたら向こうの世界の均衡を揺るがしかねないことになるかもしれないぞ」
「例えば?」
「――『大崩落』を起こすとか」
その言葉に、ザップは目を大きく見開く。ついたビルを見上げてスティーブンは顔をしかめた。
「――だんだん、音が大きくなってきています。あと、見える景色も広く」
「周りに人は?」
「まだいません」
「そのまま見張っておいてくれ。すぐにそちらへ向かう」
スティーブンはそう言うと電話を切った。そして、もう一度ビルを見上げる。
「誰にもバレないうちに、終息してくれればいいが」