さよならすら言えないままで
・しれっとした顔してるけど昨日信時でヌいてしまった轟焦凍十五歳、イケメン補正により性欲が綺麗に隠される。
・
・インターンで来るか?と言った轟に対して信時(エッ、その二人と同じ行動するのは絶対トラブりそう!やだ!)がという一心で顔を顰めるから見かねた轟が信時に「わりぃ、嫌だったか」と謝る。緑谷は(え、信時さん僕と一緒嫌なの!?)と青ざめ、爆豪からは「ア!?」と怒声が飛んでくるが、それらを華麗にスルーして「嫌ってほどではないけど……轟くんと二人がよかった」と思わせぶりな言動をする信時。轟もちょっと固まってから「……お、そうか」と返答するなり、ぽぽぽっと顔を真っ赤にさせて文字通り火を吹きそうになる。轟の心臓はその日一日ギュンギュンしてるし、信時は一向に難しい顔をしながら呑気にピザもぐもぐ食ってるし、横にいた上鳴は(はよくっつけ!お前ら)と真顔で無心に骨付きチキンをやけ食いしてる。
・深夜、寮をでていくデクを引き留めるシーン。
「緑谷くん!待って!」
「……信時さん?」
寮玄関の階段にて。
「なんでここが」「ドアが閉じる音が聞こえて、嫌な予感がしたから降りてみたら、案の定……こんな、もう会えないみたいな手紙まで書いて、一体なに考えてるの?」怒りの滲んだ声でそう私が問い詰めれば、緑谷くんはわかりやすく目を逸らした。「みんなのためなんだ」「オールマイトさんみたいなこと言うんだね。こんなことされたって、誰も嬉しくないよ」クラスのみんな、優しいからきっと心の底から悲しんでくれるって、分かるでしょ。「でも、これが一番最善だ」そんなわけない。そう告げようとする私を遮って、緑谷くんは緑の瞳を強く眩かせ、私に言い聞かせた。「それに、その方が僕も動きやすい」その言葉に思わず私は口を噤む。緑谷くんから、暗に突き放されたことを理解した。そりゃそうだ、もう緑谷くんは私たちと同じ次元にはいない。一人でいる方が、たしかに自由に動けるのかもしれない。でも、でも!「さよなら、信時さん」私の中に迷いが生じた隙に、彼は背を向けて階段をすばやく降りていってしまう。慌てて私も松葉杖を片手に緑谷くんのあとを追いかけようと右手を伸ばした。しかしその右手は宙を切り、彼の手を掴むことなく痛む右足ごと全身のバランスを崩してしまう。「待ってよ緑谷く、っ!」「危ない!」カツン、と杖の先が段差から滑り落ちた。体勢が崩れ、階段から放り出されるように転びかけた私の身体を、緑谷くんの腕が咄嗟に包み込む。ふわり、とガーゼと消毒液の匂いに交ざってかすかに緑谷くんの匂いが私を包み込んだ。少し遅れて、緑谷くんが私を支えてくれたのだとわかって、咄嗟にその腕にしがみつくように私は彼のコスチュームを強く握りしめる。ずるい自覚はあった。でも、同じくらいここでこの手を離したら、ほんとうに会えなくなるのではないかという確信があったのだ。すぐに緑谷くんが静かに私を制止する。「っ、信時さん、お願いだ……分かってくれ」分かってくれ?分かってって、なにを?色んな人を守ったはずの緑谷くんを自主退学扱いにすること?これからずっと、緑谷くんを死柄木弔の囮にすること?緑谷くん一人にすべてを背負わせて戦わせること?私、ぜんぶ分かってるつもりだよ。分かってるから、こんなにも納得できないんじゃないか。「嫌だ」私はその願いに首を横に振る。「行くなら私も連れていって」引き止められないなら、せめて着いていくしかない。緑谷くんの傷を治すくらいなら、きっと私にもできる。藁にもすがる思いで彼を見上げるも、緑谷くんは淡々と「ダメだ」とだけ私を諭す。「なんで?」「君を危険に晒す訳にはいかない」「でも、私、これでもヒーロー志望だよ? そう簡単に死んだりなんかしないし、死ぬ気もない。それとも何、私、足でまといかな。治すくらいなら私にだって、」「ダメだよ、信時さん」先程よりさらに強く、緑谷くんが私の名前を呼ぶ。「僕といれば、必然的に信時さんも狙われることになる。信時さんまでいろんな人に揶揄されることになったら僕は……」「そんなの気にしない。気にならない。私は今の緑谷くんを一人にする方がずっとずっと嫌だ」だからいかないでよ。思いのほか、縋るような声色になる。ほんの少しだけ、迷いが生じたように彼の瞳が揺れた気がした。「……ごめん。もう行かなきゃ」「待ってよ、それだと緑谷だけが苦しむことになる。そんなのおかしいよ」「僕がそれでいいって決めたんだ」「そんなことしたって、先生もオールマイトさんもクラスのみんなも、私だって、誰も喜ばない」「それでもいいんだ。大切なみんなを守れるなら、僕はそれでいい」いいわけない。それじゃ、なにもよくないんだよ。「じゃあ、緑谷くんのことは誰が守るの?」彼は沈黙する。「緑谷くんのことは誰が大切にしてくれるの?」震える声で彼に問いかける。「私は、緑谷くんの足手まといにしかならない?」「……ごめん」それは、おそらく肯定の意だった。手からふっと力が抜けた。すかさず緑谷くんが私に告げる。「もう行かなきゃ」そっと手を包み込むように離されて、やさしく私の腕を支えに体勢を整えてくれた。互いの指先が離れていく。追いかけなきゃいけないのに、もうなにも彼を引き止めるための言葉が思いつかない。バタン、と黒塗りの車が雨の中彼を連れ込んで、そのまま逃げるかのように勢いよく走り去っていく。その車の背を、私はただ、なにもせず見送ることしかできなかった。しつこいくらいの雨音が私の鼓膜を支配する。かすかに残った緑谷くんの匂いに、また胸が苦しくなった。──どうしてわかってくれないのだろう。どうして一人で頑張ろうとしてしまうのだろう。どうして頼ってくれないのだろう。……どうして、なにも助けてあげられないのだろう。彼を助けられるほどの力さえも持てない自分に、どうしようもなく悔しくなる。悔しくて、なにも変わらない現実を目の前に、涙が止まらない。自分の無力さが、ただひたすらに憎らしかった。
・死柄木救済シーン→死柄木弔をなんとか救済する夢を見た。信時ちゃんがディープキスして死柄木弔を破壊の個性を習得する前まで全部戻してしまう話。どの道死柄木弔が死ぬ場合にのみ、この展開はIFの物語として有り得てもいいかもしれない。
抵抗されぬよう信時は両手を恋人繋ぎにしてから死柄木を組み敷く。手のひらから電波していくようにひび割れ破壊されていく自らの皮膚と眼球を同じ速度でぐちゃりとぐちゃりと再生しながら、同時に全力で死柄木に個性を流す。青い粒子が死柄木の身体中に唾液や血液を通して一気に流れ込んだのが頭で知覚できた。青い粒子が個性因子に触れた。一方、デクと常闇は去年の体育祭での出来事の一連を思い出し(まさか、死柄木を個性ごと全部『戻す』気か……!?)と目を見張る。ほんの一瞬、しかし戦場では随分と長いおよそ二秒もの間、彼らはそうしあっていて、やがて三秒の時が経った頃。青い粒子が宙へと消えていく。そうして信時の下にいたのは、元の死柄木の姿はなく、そこにいたのは黒髪の少し怯えたような顔で困惑した様子を隠さないただの幼い少年がいただけなのだから。
LAST
死柄木弔をなんとか救済する夢を見た。信時ちゃんがディープキスして死柄木弔を破壊の個性を習得する前まで全部戻してしまう話。どの道死柄木弔が死ぬ場合にのみ、この展開はIFの物語として有り得てもいいのかもしれない。
抵抗されぬよう、信時は両手を恋人繋ぎにしてから死柄木を組み敷く。手のひらから電波していくようにひび割れ破壊されていく自らの皮膚と眼球を同じ速度でぐちゃりとぐちゃりと再生しながら、同時に全力で死柄木に個性を流す。青い粒子が死柄木の身体中に唾液や血液を通して一気に流れ込んだのが頭で知覚できた。青い粒子が個性因子に触れた。一方、デクと常闇は去年の体育祭での出来事の一連を思い出し(まさか、死柄木を個性ごと全部『戻す』気なのか……!?)と目を見張る。ほんの一瞬、しかし戦場では随分と長い間、彼らはそうしあっていて、やがて三秒の時が経ったとき。青い粒子が宙へと消えていく。そうして信時の下にいたのは、元の死柄木の姿はなく、そこにいたのは黒髪の少し怯えたような顔で困惑した様子を隠さないただの幼い少年がいただけなのだから。
・ああやって言っとけば、周りのヤツらもお前に手は出さねえだろ。知ってる?轟くん。そういうの、外堀を埋めるって言うんだよ。ああ。知ってる。知ってるのか…知ってて、やったのか。
・なるほどね、健気なことだ。
・オール、フォーワン!私は貴方を自分の父親だと思ったことは一度もない!
・爆豪、お前、信時のことが好きなのか。轟、エンデヴァー、ホークス、相澤先生、オールマイトなど大人陣にはわりとすぐバレまくる(不本意)のになぜか本人にはまったくバレないのでモダモダする爆豪。(なんでオールマイトにバレててアイツにはバレねーんだクソが)(……かっちゃん)クソモブ女からクソ鈍女に昇格する。
・ま、丸くなったんだねえ。爆豪くん。感心したようにそう告げた私に、爆豪くんは苛立ったように舌打ちをした。
「勘違いすんじゃねえ」
「うん?」
「アイツらのためじゃねー、てめえのためだ」
「……えっ、と」
それは、どういう。
爆豪くんが赤い目がぎろりとをこちらを睨み付けた。
「覚えとけ、クソ鈍女」
……え?
・ホークスは問いかける。君は、死柄木に情を抱いていたの?彼女は答える。はい。彼のすべてを戻したらせめて救えるかもしれないと、そう思いました。それが、今までの彼のすべてを壊すことになっても。ヴィランを助けるだなんて、デクといい君といい、随分と病的だな。でも、今までの死柄木はもういない。私は彼を殺した。それは事実です。時間というものはその人の命同然ですから。ホークスは少しの間眉を下げて沈黙してから、彼女の隣へしゃがみ込んだ。知らなかったよ、君があそこまでのことをできるだなんて。私はそれになにも答えない。とは言え、よくよく考えれば君は個性も消せるんだったね。俺が気付くべきだったかな。頬杖をつきながらホークスはそう告げる。個性を完全に消すことはできません。個性因子を元の状態に戻しただけです。どうだか。君はあのまま死柄木を赤子の姿に戻してしまうことだって可能だったんだ。存在ごと消し去れてもおかしくない。考えたくないけど、君、さては巻き戻しの利用方法を盗んだだろう。信時は沈黙する。事実だった。……ホークスさん。ん?私、生きてていいと思いますか?彼女はホークスに問いかける。人の人生を終わらせた人間が、なんの罰も与えられないっておかしいと思いませんか。己が罰されないということに、苦しんだことはありますか。信時は膝に顔を埋める。彼女の小さなつむじをホークスは優しく微笑みつつぐしゃぐしゃと撫でる。君は強いのに、随分と繊細だねえ。そんなんでこの先大丈夫?ホークスはちゃかす。強いのは私じゃなくて個性ですから。彼女は告げる。不意に、ホークスの声色が変わった。「一生、消えないよ」信時はホークスの方を見上げる。「一生消えない。死ぬ間際の言葉も表情も、恐ろしいくらいに毎日思い出す。本当に彼が死ななければこの平和は訪れなかったのか。死んだ方がいいのは本当は誰だったのか。でもそういう時、必ず思い出すんだ。自分がなんでヒーローになったのか。なぜ自分がヒーローという仕事を今日まで続けているのか」「ヒーローが暇な世の中にしたかったんだよね、俺」信時ちゃんはどう?私は…大切なみんなを守りたかった。消太さんに恩返しがしたかった。クラスのみんなと、これからも笑って一緒に過ごしていきたいなって、思ったから。「でもそれと同時に、私は不安になります。私は本当にここにいていいのかなっていう漠然とした不安がずっと付きまとうんです」「それは前世の記憶≠フこと?それともAFO?」「全部、ですかね。死柄木弔のことも含めて、全部です」ふむ、とホークスは考え込む。
これはあくまで俺の自論だけど、人って誰かの役に立つとここにいてもいいっていう感覚になることが多い気がするんだよね。なんていうのかなァ、優しい人間を他人が無理矢理追い出すことって、あんまないでしょ?そりゃあヴィランとは言え、他人の人生を個性で脅かしてるから許されないことだってあるだろうし、その部分はこれから誠意で返していかないといけないものだろうね。
「誠意、ですか」
うん。残念ながら、たとえヒーローでも罪を犯してしまう人間はたくさんいる。俺や……ここで例に出していいのかわかんないけど、エンデヴァーさんみたいに、ずっと正しくあれる人間なんて本来はいないんだ。あ、もちろん言い訳するつもりはないよ?ないけど、それが現状だ。ヒーローだって人間だからね。間違えることもある。むしろ間違えない人間なんてこの世にはいない。なにかを思い出すように、一点を見つめながら、彼はそう言った。
ぶっちゃけさ、世界を守るヒーローが間違ったことをすることは一度だって世間には許されないし、ヒーローを続けることだって難しいだろう。でも君はまだ『事実』として『人を殺していない』。あくまで君は人を殺した一人のヴィランを止めるために、ソイツの個性を排除するために、彼の今までの時間を戻した。正義のための最善の行動だ。世間から評価されることはあっても、そう表立って非難されたりはしない。そこは安心していいと思うよ。だからってまったく死柄木弔のことを気にしなくていいとは言わないけどさ。
俺としては、死柄木を殺した方が正しかっただろうとも思えない。俺から見ても、あの判断は最善だったんじゃないかとは思ってる。
「でも死柄木弔は今も捕まってしまっているのに?」
それは、俺達にはどうしようもできないことだよ。なぜなら死柄木弔は、あまりに人を殺しすぎた。仕方がないことなんだ。正直、学生の身である君が背負うには、あまりに荷が重い。おそらくしばらくの間は会えないだろうね。君が悪いわけじゃないし、気になる気持ちもわかるけど、そこは耐えて待つしかないだろうね。
「私が彼にできることはまだあると思いますか?」
これは提案なんだけど、もし君にその気があるのなら、君が相澤先生にしてもらったことを死柄木に返していけばいいんじゃないかな。(善意の輪を廻して終わるラストもいい気がしてきた)
君が昔、他の人間を傷つけて一人ぼっちになっていたところをイレイザーヘッドに救ってもらったように、今度は君が死柄木弔を救うヒーローになればいい。死柄木弔の破壊は、君の再生を前には通用しないからね。相性はいいと思うよ。
「……考えて、みます」
「うん。ま、ほどほどに頑張りな、未来のヒーロー」
ホークスさんは、これからも公安で働くんですか。うーん、考え中。そもそも羽が前より断然減ったからね。あと色々もうバレちゃったし。
それよりさ。
はい。
君って爆豪君と轟君、どっちと付き合ってるの?
ブッ
ゴホッゴホッ、突然何を、
いやあ、だって君の病室に最初行った時、爆豪君と二人っきりで意味深な会話してたかと思えば、エンデヴァーさんが「信時埜杏は焦凍の将来の嫁だ」とか言ってるし?親、しかもエンデヴァーさん公認とかやるなあの子!って尊敬してたのに、バクゴーくんとは甘ったるい空気醸し出してるしさあー。もしかして二股だったりする?
そんなわけないです。怖いこと言わないでください。どっちとも付き合ってないです。
でも告られたりはしたんじゃないの?
そ、れは……
ほらあ、やっぱり。ははん、かわいい顔して意外とやり手だね。で、今のとこどっちが優勢?俺として爆豪くんには悪いけど、轟くん推しかなァ
誤解を生む発言はお願いですからやめてください…