陸と海の家
陸の突然の発言に、私は目を丸くした。
「3、4年生はこっち!」
「5、6年生は自分たちで整列して!」
小学3年生から6年生まで夏休み期間中だけ、特別に貸し出される公民館。スタッフの大学生たちが小学生を次々と誘導していった。
「ねえねえ、あの子誰?」
低学年の女の子達がコソコソと噂をする。私は陸の事だと即座に理解した。
公民館の会長の長話も終わり、私達は自由行動を許された。
陸は相変わらずゲームボーイと睨めっこをしている。ミクがそれに気付いて、近寄っていく。陸はミクの話を一言二言交わし、公民館の外へ出て行った。
「何処行くって?アイツ」
「なんか知らないけど、トイレかどっかじゃない?」
確かに、トイレはこの古い公民館だから外に設置されているが、低学年達は怖がって近寄ろうともしない。公民館の古い民家の家のトイレで用を足している子どもたちが多かった。
一方その頃、ヤスとトクは海の家へ足を運んでいた。しかし、私の弟の姿を見たと言って、公民館へ戻ってきた。
「陸は海の家なんて知らないよ!」
「東京生まれ、東京育ちなんでしょ!?引っ越してきてからは家から一歩も出てないって言うし!!!」
私とミクは2人で肩を震え上がらせていた。
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