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▼308. 溺れる人魚/幸村

20151213 308. 溺れる人魚
「幸村はこういうの興味がないのかと思ってた」
背中に冷たい壁が当たる。覗き込むようにかがむ彼が、仄暗く昇降口を照らす蛍光灯を背負った。
「そう見える?」その声に柔らかさが含まれている気がするのは私が幸村に固執し始めた証拠なのだろうか。
「どうして」
「理由がいるかい」
この人に惹かれないひとなんて存在するのだろうか。
ねえ。長い指が顎をなぞった。
うなずけば薄い唇で幸村が笑うのが見える。
(2018/01/02)
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