21戦目が少し長引いた為、今日はナマエさまの方が先に車庫にいらっしゃっていた様だ。
彼女はパートナーを毛繕いしていて、サンダースはとても気持ちよさそうにナマエさまの胡座の上で綺麗に毛繕いされていた。
電車から降りた私が近付いて来たのを敏感に感じ取ったサンダースはナマエさまの膝を降りて私の前まで歩いてくる。
腰を少しだけかがめてよろしくお願いします、とサンダースにお願いすると、任せなさいと言わんばかりに鳴き声を上げて整備道具を取りに行ってきたナマエさまの周りをくるくると回って付いて来る。
「ダイヤでも乱れてたんですか?」
「いえ、少々21戦目のバトルが長引いてしまったもので」
「それはそれは、お疲れ様でした」
眠そうに細められた目で少しだけふ、と笑われたナマエさまの顔に瞬間見惚れる。
その瞬間と同時につい昼間にクダリに言われた事がこんな時に限って頭を過ぎる。
私は無意識のまま、ナマエさまを好いていたのか。
だが今そんな事を考えてしまったら、きっとまた顔が赤くなる。
なるべく##name _1##さまの事を考えないように、彼女から顔を反らすよう努めるが効果の方は今一つのよう。
「?ノボリさん、どうかしたんですか?」
「…いえ何でもございません、それよりも電車の方を」
「あ、すいませんすぐやりますね」
ナマエさまに仕事を促す事で何とか自分の高鳴る心情に整理を付ける事が出来た。
そんななんだか情けない私を下からじっと見つめられる様な視線を感じて其方を見ると彼女のサンダースが私を見上げていた。
ポケモンに見られていただけなのに何故か顔の温度が上昇する。
それは彼には私の気持ちというのを知られているからなのだろうか。
私の心の中を読み取ったのか、サンダースは何も言わずに少し先を行く主人をゆっくり追いかけるように歩いて行った。
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