クダリのやり残した書類のせいで結局今日は帰れなかった。
あぁ、今日は帰ってゆっくりテレビでも見ながら本を読もうと思っていたのに。
全く、どうしてバトル以外の事務的作業は一生懸命にやってくれないのでしょう、私の片割れは。
溜め息を大きく吐き出して渋々宿直室に向かうと何やら楽しそうなテレビの声が聞こえる。
今晩は誰か宿直の方が他に居ただろうか。
「なんだ、今日のTRADE'N TALK全然つまんない、発見!ジムリーダー見とけば良かったかも」
「…ナマエさま?」
「あれ、ノボリさん?」
テレビの前に置かれたソファに寝転がりながら相方のサンダースの頭を撫でていたのは紛れもなく作業着姿のナマエさまだった。
今日宿直なんですか、と聞かれてクダリのこれのせいで、と片手に抱える山になった書類を指差すとナマエさまは苦笑いしながらクダリさんらしいと納得していた。
「ナマエさまは宿直でございますか?」
「えぇ、まぁそんなとこです」
「では今晩はご一緒させて頂いてもよろしいですか?」
「どうぞどうぞ、1人でいてもつまんないですから」
長机に書類の山を下ろし、ナマエさまがごろ寝するソファの向かいのソファに腰を下ろす。
長机の上の紙の山に興味を持ったのか、此方に近付いてきたサンダースは机に前脚を掛け紙の束の匂いをふんふんと嗅ぐ。
それに気付いたナマエさまは上半身を起こして散らかしたお菓子を少し隅に退けながら私に夜食でも、と薦めてくださった。
頂いたクッキーがやけに甘く感じる。
「あ、今日のわざとくらす見たいんだった、ノボリさん先にあたしシャワー借りて良いですか?」
「わたくしはまだ入るつもりはないのでお先にどうぞ」
「じゃあお先に失礼します」
ごそごそと大きな鞄を探ってナマエさまはサンダースを呼ぶと奥にあるシャワー室へと消えていった。
まだ脱衣場にいるであろうナマエさまとサンダースが戯れる声が小さく聞こえた時、私は今の状況に気付いてしまい、顔が熱くなるばかりだった。
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