熱いシャワーをいくら浴びても私の頭はナマエさまでいっぱいだった。
それでもシャワー室から出ない訳には行かないし、そろそろ熱くなって来たためジャージに着替えて宿直室へ戻る。
「あ、お帰りなさいノボリさん、冷蔵庫にまだサイコソーダありますから、良かったらどうぞ」
「ありがとうございます、頂きます」
御言葉に甘えて冷蔵庫からひやりと冷えたサイコソーダを1本頂く。
さぁ、もう1時を過ぎた。
いい加減あの書類を何とかしなくては。
先程のナマエさまと同じ様に残ったサイコソーダの瓶を長机に置いて書類の前に座る。
さっきから全然減っていない。
「あの、手伝いましょうか?書類、あたしに出来る事があるならですけど」
「お気になさらないで下さい…それより、テレビはもう良いのですか?」
「面白いの、もうやってないんで」
パチンとテレビの電源を切ってしまったナマエさまに意味もなく聞いてみる。
ナマエさまがテレビを見ていてくださった事が唯一の救い、だったのに。
それどころかナマエさまは向かいのソファから私の隣へ移動してきて手伝いますよ、と私の手元を覗き込む。
「…ナマエさま」
「はい?」
顔を上げたナマエさまの頬に左手を添えて彼女の薄ピンクの唇に口付けた。
驚いた様な顔をしたナマエさまが一瞬見えたが、自分でもなんでこんな事をしているのかわからなかった。
それでも悪い気はしなかった為、私は空いた右手をナマエさまの綺麗な髪を撫でながら頭の後ろへと回しゆっくりとソファに倒れ込んだ。
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