「アーケオス戦闘不能、よって勝者サブウェイマスターノボリさん」
彼女の声により、終電最後のお客様との勝負がついた。
あまりに暇そうにしていたナマエさまに審判を頼んでみたら、意外にも楽しそうにしていた様子。
それでも戦闘中はサンダースと並んで座りぼんやりと私と挑戦者のバトルを観戦していた。
いや、サンダースはどちらかというとバトルをしたそうにうずうずしていた、と言った方が正しいかもしれない。
「いつもシングルトレインはこの様な感じでございます、観戦するだけでは退屈だったでしょう」
「いやそんな事ないですよ、別に見るのも好きですし」
「しかし貴女様のサンダースはその様ではないそうですよ」
私のギギギアルを睨み付け、バチバチと体内から漏電させている。
それに気づいたナマエさまはひょいとサンダースを抱える。
ナマエさまの腕の中で、サンダースは自分ともバトルしろ、とでもいうように私を見つめてきた。
「ナマエさま、宜しかったらわたくしとバトルして頂けませんか?サンダースも随分とその気になっている様ですから」
「あ、良いですね、でも今はこの子しか手持ちがいなくって…」
明日ならその勝負受けます、とナマエさまは私とのバトルを快く受けてくださった。
それはいつもの眠たそうな目をして大きな欠伸をする彼女ではなく、今までは見たことがないきりっとした表情と瞳で私を見据える。
不覚にも胸の奥の方が、どきりと大きく跳ねた気がした。
その気持ちをなんとなく隠すように私は運転席へ移動し、空になった電車を車庫へと向かわせる。
「それじゃああたし仕事に戻ります、お疲れ様でしたノボリさん」
ナマエさまは1両目の乗降口からひょいと降り、サンダースと車庫の奥の方に消えていく彼女を私は見送った。
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