昨日は、よく食べて、よく寝た。
そのせいなのか、気分はやけにすっきりとしていた。
朝食を済ませた後、鈍りきった身体を戻すためにトレーニングに出かけようと、あのユニフォームを久しぶりに着た。
せっかく着替えたのだからと、備え付けの鏡で髪も少しだけ整えてみたが、目がいつもより腫れぼったくてなんだかあまりキマらなかった。
片付けをするナマエに、巨人の寝床で走ってくると言うと、彼女は少し驚いたような顔をしたが、いってらっしゃい、と笑顔で見送ってくれた。
家の外で、ウインディ達をボールから出してあげる。
今日からトレーニング再開だよ、と言うと僕のポケモン達は力強く頷いた。
今日も、フリーズ村は雪が舞っていた。
「…あっつい」
今日の巨人の寝床は、コータスの日照りくらい日差しが強い。
太陽が高く昇れば昇るほど、巨人の寝床の気温は上がっていった。
驚いた、ちょっと上の方に位置するフリーズ村では雪が降っていたというのに。
着てきたベンチコートなんて、とっくにその辺の木の枝に引っ掛けた。
とてもじゃないけど、暑くて着ていられない。
強い日差しにバテる僕とは反対に、僕のポケモン達は、いつもより技に磨きがかかっている。
息が上がる僕に気付いたキュウコンが、休憩しろと言わんばかりに、僕を木陰に押し込んできた。
彼女のいう通り、座り込んで首から掛けたタオルで額に滲んだ汗を拭いていると、いにしえの墓地の方から見慣れた人とポケモンが見える。
「カブさん」
「ナマエ、にんじんの世話の帰りかい?」
「そう、あとこれも」
ランプラーが、かごをぶらぶらと下げて僕の前にやってくる。
よくわからなかったが、お礼を言って受け取ると、ランプラーは平べったい腕でかごのふたをつついてくる。
早く開けろと言っているのだろうか。
「これ…」
「お昼ご飯、まだなんじゃないかと思って」
ランプラーがくれたかごの中には、美味しそうなサンドウィッチが詰まっていた。
食べ物を見た途端に、僕のお腹の虫が騒ぎ始める。
そんな僕を見て、くすくす笑ったナマエは一緒に食べましょ、と隣に腰掛けた。
そのサンドウィッチには様々なきのみが使われており、僕のポケモン達も凄く美味しそうに食べている。
外で食べるサンドウィッチは、なんて美味しいんだろう。
どんどんかごに手が伸びて、あっという間になくなってしまいそうだった。
「カブさんの今日の服…」
「試合の時のユニフォームなんだけど…変かな?」
「ううん似合ってる、かっこいいよ」
日照りの暑さではない熱が、身体を駆け巡る。
お世辞だってわかってても、こんなの心臓に良くない。
しどろもどろになりながら、ありがとう、と言う。
そんな僕を、隣で見ていたキュウコンは呆れた顔だった。
「カブさんの試合、見てみたいな」
「それなら、ジムリーダーに戻らないといけないね」
「じゃあ、約束ね?」
空から照りつける太陽のせいなのか、そういって見せたナマエの嬉しそうな笑顔に目が眩んだ。
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