Sucreve
あるぐんじんさんとおんなのひとのはなし
ヴァシリはどう足掻いても幼児語が微妙だなって思ったので童話っぽくしてみたけれども幼児語である必要が見えないのでやらんでもよかったけど書いたので上げます。
ヴァシリが夢主攫って足傷付けて閉じ込める話。
むかしむかし、ロシアの軍人さんがやって来ました。
軍人さんはとある男の人に顎を銃で撃ち抜かれていました。なので喋ることは出来ませんし、ご飯を食べるのも少しばかり難しくなっていました。その恨みを晴らす為に来たのです。
そしてやって来た国で、軍人さんはとある女の人に恋をしてしまいました。女の人は優しくて、軍人さんにとてもよくしてくれました。だから好きになったのですが、女の人は軍人さんの気持ちがわかりませんでした。
軍人さんは喋ることが出来ませんし、筆談しようにも軍人さんの国の言葉を女の人は理解が出来ませんでした。なのでそれも仕方の無い事でした。
◆
ある日の事でした。軍人さんはどうしても女の人を自分だけのものにしたくてたまらなくて、女の人を攫ってしまいました。頭を殴って気絶させて、無理矢理自分の国へと連れて帰ったのです。
女の人は混乱しました。目が覚めたら全く知らない場所にいたのですから。
部屋に入って来た軍人さんに女の人は訴えます。ここから出して欲しい、帰して欲しいと。ですが軍人さんの言葉がわからないのと同じように、女の人の言葉は軍人さんには通じませんでした。
女の人は毎日泣いていました。ですがある日、決意しました。逃げ出して、どうにかして帰ろうと。なので軍人さんがいない時を見計らって窓からこっそり抜け出しました。
外は雪が積もっており、とても寒いのですが、女の人は我慢して裸足で出て行きました。
世界は銀色でした。真っ白でした。何処に向かって行っていいのかもわかりませんでした。それでも女の人は歩きました。冷たい雪の上、冷たい空気の中を帰りたいその一心で歩きました。寒い寒い空の下、女の人は頑張って歩きました。白いおててもあんよも真っ赤になりましたが、そんなことに構ってはいられませんでした。軍人さんから逃げ出したい、と必死に歩きました。
どれ程経ったでしょう。もしかしたらほんの数十分かもしれません。女の人には時間の感覚はなく、無心で逃げていたのでわかりませんでした。
歩いていると、不意に海岸沿いに出ました。ここから南に向かえばきっと帰れる。女の人はそう思っていました。
ですが目の前にいたのはあの軍人さんでした。女の人の顔から血の気が引きます。何で、どうして。そう言っても軍人さんには通じません。軍人さんは見たこともないようなとても怖い顔で女の人の腕を掴みました。女の人が逃げようと暴れるのを脚払いをかけて倒すと、押さえつけて動けなくしました。それから拳銃を取り出して、女の人の頭に突きつけました。
女の人は泣きながら「もう嫌だ」とか、「帰らせて」だとか、そんな事を言いました。ですが勿論軍人さんには通じません。
軍人さんは泣きじゃくる女の人を連れて家に帰りました。またあの部屋に閉じ込められる。けれど今回のように隙を見て抜け出せばいいか、と女の人はぼんやり考えました。
ですが、帰るなり軍人さんは女の人を寝台に縛り付けてしまいました。一体何をされるのだろうと女の人は怯えます。軍人さんは女の人の口に布を詰めると、右のあんよを掴みました。女の人はそのあんよを動かしましたが軍人さんの力は強く、振り払えません。それをいいことに軍人さんは女の人の可愛らしいあんよにナイフを突き立てました。
女の人の口から声にならない悲鳴が上がります。ですが布に阻まれてそれは大した音にもならず消えていきました。
どくどくと血が流れている足首。軍人さんは冷静に止血をして、針と糸で傷口をちくちくと縫い合わせました。
痛みからか絶望からか、女の人はいつの間にか意識を失っていました。軍人さんはどうでもいいとでもいうように、左のあんよにも同じ事をしました。そうしてこれまた同じように止血をして、軍人さんは満足そうでした。女の人の頬には、涙の跡が幾筋も残っていました。
軍人さんはまるでとても美味しいものを食べるように、その頬に舌を這わせました。ほんのりとした塩気が舌先に触れて、軍人さんは頬を緩めます。
これで女の人は何処にも行けない。ずっと自分の側にいる。そう思った軍人さんはやっぱり満足そうでした。
こうして軍人さんはいつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
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