面倒臭くも愛しい彼ら
朝ご飯はトーストと目玉焼きとウインナー。いつものメニューだけど今日はちょっと思いついてウインナーをたこさんにしてみた。ちゃんとゴマで目もつけてやった。
やったのはクダリのだけ。ノボリは多分そういうの興味無いと思ったのでやらなかった。
「はい朝ご飯ー」
ダイニングテーブルで待っていた二人の前にお皿を置く。たこさんウインナーを見たクダリは「たこさん!」と目を輝かせた。
「うん、クダリそういうの好きそうだからやってみた」
「可愛い!写真撮っていい?」
「いいよー」
SNSにでも上げるのかしら。こんなただの朝食を、と思っていたらじとりとした目のノボリと目が合った。
「え、ノボリどうしたの、何か不満だった?」
目玉焼きを焼きすぎただろうか。いつもと同じにした筈なんだけど。すると「何故クダリのだけ……」と恨みがましく言われた。
「たこさんウインナー?ノボリそういうの興味無いでしょ?」
「…………」
じとりとした視線が鋭くなった。ぎら、とかぎん、とかそういう効果音が聞こえそうなくらいだ。
「……決めつけないでくださいまし。わたくしとてきちんと喜びます」
「そうなの?……じゃあ明日はやるね」
そう答えるとノボリの表情が輝いた。そんなにたこさんウインナーに憧れがあったのかしらこの子。
「ていうかノボリはぼくだけ特別扱いされたのが嫌なんでしょ」
「…………」
クダリの言葉にノボリが固まる。あ、そっち?
気恥ずかしそうに目を逸らすノボリが何とも可愛かったので頭を撫でた。これでチャラにしてくれないかな、と思ったらクダリが「ノボリばっかりずるい!!」と叫んで立ち上がった。
「ぼくも撫でて!」
朝っぱらから何なの面倒。ノボリの頭から手を離してクダリの頭を撫でたらまたじとりと睨まれてしまったので右手でクダリ、左手でノボリの頭を撫でる。
そうやってからやっと二人は満足そうに笑みを浮かべた。ああもう、本当面倒だけど可愛いな二人とも。
end,
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