
01
寝ているのだろうか。いや、それよりも更に深い闇の中に意識を沈めてしまっているような感覚がする。――私、死んだ?
周りは真っ暗だ。でも怖い感じはしない。むしろ、何だか落ち着くような気さえする。
これが死後の世界ならまぁそんなに悪くないのかも、なんて思っていたその時。
「……約束を果たせというわけか」
地を這うような低い、とても低い声が聞こえる。
一体誰の声だろうか……もしやここって死後の世界では。だとしたらこの声の主はかの有名な閻魔大王様? どうしよう、後ろめたい心当たりしかなくて天国に行ける自信は皆無に等しい。ああでも子供の頃お地蔵様にお菓子という名の袖の下……って違う違うお供え物をしたこともあるし、ちょっとくらい減刑してくれても良いんじゃないかななんて浅はかなこと考えている時点で地獄行きは確定な気がしてきた。死にたい。あっ、すでに死んでた。
「やつめ、こうなることを見越していたというのか。なんとまぁ小賢しいことよ」
閻魔様はイライラしながら何やら独り言を言っているけれど内容はサッパリ分からない。私にイライラしているのではないと信じたい。一体
何が閻魔様の顰蹙を買ったのかは分からないけれど、ご機嫌ナナメなタイミングで最後の審判を受けなきゃいけない私の身にもなって欲しい。不当に罪を重くされたりしたらどうしてくれる。
「良いだろう、汝、運命を見定めし瞳となれ」
ああ、それにしても親より先に死ぬなんてとんだ親不孝者だ。