03
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「キャプテンの幼馴染だっけ?あの子。ま、やるだけやってみようよ」
少し呼吸を変えるだけだしさ。
練習を再開したサッカー部の皆さん。はーい竜巻も火の鳥もドラゴンも魔神もなんでもござれな感じに超次元サッカーが目の前にあります。めっちゃ怖い。
んで、まあ、今のところは問題ない。みんな元気である。
最近チラ見していた練習風景を思い出す。目に見えて試合運びにズレが出るのはまだ先かなー…。それまで暇だから、木野さん達の手伝いしよう。
「木ー野さーん、お邪魔します。何か手伝えることとかある?」
「あれ、みょうじさんは練習見にきたんじゃ…?」
「あ、なまえでいいよ。正直な所、僕には超次元サッカーにどうこう言える知識ないし…様子見るのが必要なのも、たぶんこの後だから」
「そう?よくわからないけど…だったらドリンク作るのを手伝ってもらえるかな?あと、私も秋でいいよ」
にこっと笑う秋ちゃんは天使だと思った。ということで、れっつお手伝い!
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「うわ、これをいつも2人で?大変だね…腕に来る」
「といいつつ…作業、かなり早くないですか?」
「マネージャーとして来てほしいくらいだわ…って、」
「終わり!」
話してる間に全部作り終わった。ボトルを振りすぎて腕が張りそうだが、春奈ちゃんがすごい!って拍手してくれたので敬礼した。
「半分の時間もかかってないわ…なまえちゃん、本当にマネージャーやってみない?」
「お誘いは嬉しいけど、吹奏楽部が好きだからね。でも暇な時なら手伝えるから呼んでね」
のほほんとした空気が流れていた部室に、外から染岡くんのくそっ!という声が響いた。至福の時は短かった。
でも、そろそろってことかな。
部室の外に出ると、染岡くんが悪態をついてた。他のメンバーも、少し焦ったような顔で練習を続けてるけど、何だか動きがズレてる。
「またタイミングが合わなくなっちゃったみたいね…」
「最近いつもですよね、練習の後半になると、皆さん何か…って、あれ?」
春奈ちゃんが何かに気づいたらしく、松野くんと半田をじーっと見た。気づいた秋もそっちを見て、しばらくしてあっと声をあげた。
「あの2人、前半と変わらずに動けてる…?」
「ですよね!他の人は必殺技の威力とか、ちょっとだけ落ちてきてるのに…」
そろそろだ。こっからは僕の出番。秋にホイッスルを吹いてほしいと言うと、少し不思議そうな表情を浮かべつつ快く聞いてくれた。ついでに鳴らし方のタイミングはこうで!とちょっぴりお願いもした。
息吸ってー、いーちにーさんっ、
ピィィィ、ピッ!ピッピッピッ!
「サッカー部集合、駆け足でー!」
マーチング風にホイッスルを吹き鳴らしてもらった所、ちょっと楽しくなったので掛け声で便乗させて頂きました。無事一番遠くにいたはずの守にも届いたらしく、真っ先にこちらへと駆け寄ってくる。次いで風丸に松野くん達が来て、キャプテンである守が動いたことで他も動いてくれて…ああ、やっぱり守は凄いなあ。
なんだと言いたげに睨んでくる染岡くんからはそっと視線を逸らしつつ、まず2人に尋ねた。
「松野くんと半田、どうだった?」
「おう、ありがとな!何かこう、よくわかんないけど上手くいった!」
「途中からまたズレたけど…長く走れたよ。あと、僕のことはマックスって呼んで」
「わかったよ、マックス。上手くいったなら何より!」
驚きながら、でも少し嬉しそうに報告してくれる2人。ということは、僕の予想は当たっていたらしい。
「確かに今、マックスと半田は皆より長く動けてた…なまえ、何かしたのか?」
守が真剣な顔で聞いてきた。鬼道くんも先を促すようにこちらを見ている。どう説明しようか悩みつつ、ゆっくり口を開く。
「ええっと、ね。さっき2人には、呼吸の仕方を変えてみてってお願いしたんだ」
「呼吸…?」
「うん。あのさ、たぶん今、サッカー部の皆は…」
「ーー呼吸ができてないから、体力をフルに使えていない…そうだったわね?」
「あ、その通りです…って、雷門さん?」
台詞の途中でどこかから出てきた雷門さん。ついでにその後ろに、勧誘作業に向かっていた筈の千歳と柚の姿。なんだか展開についていけない。
雷門さんはこちらまで歩いてくると、ざわついたままのサッカー部に向かっていきなり宣言した。
「サッカー部はこれから約3週間、吹奏楽部に臨時入部してもらうわ」
「!?」
「そこで、呼吸を学ぶようにと。…これは響木監督からの正式な指示でもあります。とりあえず、音楽室へ移動しましょうか」
ファンファーレは高らかに
(…雷門さんの引抜きの心当たりって、サッカー部だったの?)
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