--vs宗教団体調査的な奴@


・夢の話 vs宗教団体

夢の中でシンクがね、
夢主のお友達が実は宗教団体所属(危なそう)だった為に2人で潜入調査をしていたんですけど、夢主ちゃんがボロボロになっていたのが性癖だったので、はるか昔にそこだけ書きました。
まったく進んでいない長編主の設定です。私の頭にしか設定がないので補足

長編夢主
⇒現代出身、一般学生の特異鏡映点/ストレンジャー
(鏡映点になれる器では無い&世界も具現化されてないのでカレイドスコープくんのバグ動作)

長編まったく書けてないけど
救世軍滞在期間、メインスト1部の合間にファントムの実験で心身(主に心)に悪影響が出て割とぼろくなって治療中。元は元気。
アニマと精神安定させる魔鏡具つけてるけど、壊れるととってもネガティブ思考に偏りやすくなる
シンクと両片思いくらいの距離感

***



「みんなおかしい、おかしいよ…やだ…はなして!」
「そんなこと言われても…ううん」


友達だと思っていた彼女達が、皆困ったような顔でこちらを見ている。でも、だって、こんなの、おかしい。掴まれた腕を全力で振りほどいて、なんとか少し、距離を取った。


「ね、大丈夫だから。こっちおいでよ、ね?」
「やだ、やだ!絶対いや!」


――思い出すのは、少し前。ここに連れてこられる前のこと。
少しだけ胸騒ぎがして、咄嗟につい、彼の袖をひいたのだ。

「なに?」
「ええと、シンク、あのね」
「ちょっと。もう行くから、早くしてくれる」
「…ここ、なんか、やだ。…こわいかも」
「…は?」
「その…なんとなく、だけど。…いや、やっぱりいいや、行ってらっしゃい!変なこと言ってごめん…!」


ここにはシンクの仕事仲間もいるのに、わたしの友達もいるのに、失礼なことを口走ってしまった。
自分の失言に気づいて慌てて離れてしまったけれど、きっと怒っているだろう。

だが、今となっては。


――あの感覚は、間違いではなかったのだ。




「私、帰る。あなたたちの仲間には、なりたくない…」
「なんで…?怖がることなんてないのに…落ち着いて、とりあえず少し話そうよ」
「無理、やだ、近づかないで!」


湧き上がる恐怖でつい声を荒げてしまう。差し出された手から離れるように距離を取った。
困惑したような顔で見つめてくる人々に恐怖を感じる。まるで私を憐れむような表情。大勢に囲まれて、余計にパニックになりそうだ。本当に私だけがおかしいのではと、思ってしまいそうで。でも、絶対におかしい。おかしいのは、あっちだ。

逃げなくちゃならない。


「し、シンクはどこ。一緒に帰る、教えて」
「あの人は…今は研究部と行動してるんじゃない?今日、入会の手続きをしてもらうのは貴女だけの予定で…彼もうちの部署も、ディスカッションとはいえお仕事中だからね!今はダメだよ〜」
「そうじゃなくて、どこかって、聞いてるの!!」


話がどことなく噛み合わない。言い知れない違和感、齟齬、何もかもが奇妙で恐ろしい。再度叫んだ私に、友達は悲しそうな顔を向けてくる。


「…仕方ないね。大変かもだけど…でも、すぐわかるから。すぐ落ち着かせるから、ちょっとだけ我慢してね」


周りの信者達の動きが変わる。無理やり捕まえようと、つまりはそういう動きになった。恐らく戦闘の心得がある信者達なんだろう。
身がすくむ。強硬手段に出てきたということは、もう、捕まったらそのままおしまいかなって。そういうことだと思った。
腹を、決めて。


「くうは、ばくえん…だん!」


四方から包囲された瞬間に、試作品の魔鏡具の力を借りて飛び上がる。シンクに教えて貰っている技だけども、炎の威力はまだまだ弱くて、滞空時間とか高さもまちまちだ。でも、安定しない未熟すぎる技でも、この場では有効だった。かなりの人数に怯んでもらったし、同じくらいの人数がひっくり返っている。

でも、着地先に集まっている人数も結構、いる。だからまだ怖くて、頭というか、腕からの着地はできないけれど、もう一つだけ。


「斬、空、れっ…こう!」


刃で空を斬るイメージで――そう言われた通りに、着地点を思い切り蹴り込む。一瞬ふらついたけど、周りの包囲が吹っ飛んでいる今しかない。そのまま廊下へ向けて走り出した。追ってくる音が怖くて怖くて、とにかく走った。あとはもう追いかけっこするしかない。





それで、結局。逃げては、戦って、逃げては、戦って。限界まで使ってはいけないと言われていた魔鏡具は使用限界で壊れて。アニマが揺れて頭が痛い。だからお前は役に立たないんだと誰かが囁く。情けない、もう、逃げることしかできない。

最後に外に出て、違う建物に入った所で、捕まった。思いっきりのしかかられて息が苦しい。後ろ手に腕を掴まれて普通に痛い。頬も痛いし、背中も痛いし。情けなくて辛い。シンクだけでも逃げて欲しい。こんな集団恐ろしすぎる。パタパタと駆け寄る足音を見上げると彼女達がいた。


「ああ、そんなに強く抑えちゃダメですよ…!痛がってるじゃないですか!とりあえず、離さないように立たせるか、暴れられないように抱えるかしてあげて…あっ、そうだ!貴女、彼女に術を…」


頷いた一人が、何事か唱えながら頭に触れたのと同時に、急に四肢から力が抜けた。抜けたというか入らない。すこし痺れるような感覚。「痛くないやつだからね、安心して」と申し訳なそうな顔をする彼女に向かってそんな気遣いいらないと吐き捨てたいのに、口がぱくぱくと動くだけ。変な魔術でもかけられたらしい。詠唱したせいか、ご丁寧にそれ対策までされたようだった。

ああ、本当に、本当に、嫌だ。怖い。こんなに怖いの久しぶりだ。せっかくこの世界にも慣れて、色々終わって、皆で頑張っていたのに。私も、頑張れていたと、思ったのに。

呼吸と五感の働きだけが許されている体が、一人に抱えあげられた。こんなにときめかないお姫様抱っこもないだろうとやけくそ気味に心で悪態をついた。それ以上に、自分が悪いのだとも、頭の片隅に浮かぶけど。
力がまるで入らなくて、自分から凭れかかるような姿勢になっているのも吐き気がする。しかもこの男の人、さっきの交流会場でやたら話しかけてきた人だ。にこりと笑いかけてくる顔にますます腹が立つ。お前もだったか。
不必要に腿の辺りを這う手に体がぞわぞわした。気持ち悪くて吐き気がする。怖い。怖い。


「大丈夫、怖くないからね!彼が手伝ってくれるから。彼とっても上手って評判なんだよ〜!」


一体何が上手と評判なんだ。「あ、入会手続きの時にちょっとね!ほら、うちの神様、信者の儀式をされてた方が好きだから…早い方がいいしね、纏めて済まそう?」にこにこ笑い続ける姿がおぞましい。つまりそれって、つまり、この男と、しろと。

限界だった。動かない体でも多少の涙は出るらしくて、ただひたすらに怖くて、嫌で、止まらなかった。

男が笑う。「俺、ちゃんと君の手伝いをするから。…実を言うと、一目惚れかもしれなくて。きっと力になってみせるよ、怖がらないでね」悪気ひとつ感じていない顔だった。狂ってる、このひとたちは。

助けて、嘘、逃げて欲しい。逃げて欲しい。嘘。助けて、欲しい。でも、逃げて欲しい。

進むスピードは変わらない。泣きながら少し思い出したのは、今日は私だけの予定だったという話だ。なら、下手な事をしなければ、あるいは私が時間を長く稼げば、シンクは無事に帰れるだろうか。別々に帰るという予定だったし。ただ問題はその後だ。
どう考えたって異常な集団で、入会手続きやら儀式やらを踏まされた私はどうなるのか。正直、洗脳の類じゃないかと思うわけで、となるとこいつらと一緒になってしまう気がするのだ。怖い。その状態で、もし、帰らされたら。ぞっとする。私のせいで、皆を巻き込んでしまったら。

それだけは、絶対にダメ。シンクや、パパや、皆に同じ目を見せるなんて、絶対嫌だ。
それならいっそこのまま監禁なり軟禁なりして欲しい。…いや、それよりも確実な方法は、あるけど。怖いけど、ああ、でも、これしかもう、思い浮かばなくて。

舌、噛みちぎって死んでしまおうか。

死ななくても、喋れなくなってしまえば。

そうすれば、戻れない。あるいは戻っても、意思疎通は難しいはず。

そうしよう、そうしてしまおう。私がいて迷惑をかけて、捨てられてしまうくらいなら。いない方が役に立つのなら、最初からそうした方がいい。だって役に立たないならきっと殺されてしまうって、今が幸せすぎるだけだって。誰だって、ああ、こんな人に触られた人間、きっと嫌だろう。私だって嫌だ、だって気持ち悪い。こんなに気持ち悪いのに、帰れる訳ない。ホントは皆怖いかもしれないって、まだ思ってるんだろうと、そんな想像で埋め尽くされてく。

もう無いはずの、ファントムの魔鏡具の感覚が喉元を過ぎる。いつかのように、頭の芯が鈍く冷たくなっていくのを感じた――逃げられないんだから、それなら。



移動した先、ご丁寧に用意されていた寝具のようなものの上に男が腰掛ける。抱えられた私の体も自然と乗り上げる形になって、依然力の入らない両足が布の上に投げ出された。

数人が部屋の周りに散って、何事か唱え出して動かなくなる。にこにこと女が見つめ、笑った男の手が頬に寄せられる。ついと一度、寄せられた唇の感覚に怖気が走った。嫌だ、もう無理だ。こんなやつと、こんなやつと、こんなやつと、くちを合わせてしまった。汚いことこの上ない!
そのまま体中を這い回る手の恐ろしいこと。

気持ち悪さに震えながら口を開いて、少し舌を伸ばした。

見上げた男の顔が不思議そうに傾げられる。シンク、ちゃんと何事もなく帰ってね。会いたいなぁ、最後に会いたかったなぁ。怒らせたままばいばいしちゃったの、辛いなぁ。でも迷惑をかけたらもっと怒られる。し、そもそも、こんな汚いの、きっといらないって言われちゃう。そんなの嫌だ。だから、言われる前にさよならしようね、私。

思い切り、ひとつ息を吸って。
男が目を見開くのと、目ざとく気づいた彼女の鋭い叫びと、私が顎を噛み合せたのが同時で。

ガリ、と舌には確かに痛みが走った。口内に血の味か広がる。けど、中途半端だ。これ以上動かない。焦った顔の男が息を吐くのが見えた。
なんで、どうして!
叫ぼうとしても声は出ない。むしろどんどん力が抜けて、瞬きすら難しい。先程以上に、どこもかしこも力が入らない。


「び…っくりしたぁ…!間に合って良かった…舌、噛もうとしたんだよね…?それ普通に死んじゃうからダメだよ、もう…!感覚だけ残して、後の体は全部麻痺かけさせてもらったから…だって危ないんだもん、心配した…!」


心底泣きそうな顔をした女が視界に写る。そっか、こんなことも失敗したんだ、私。死ぬことすらできない。ホントにただのお荷物だ。涙が止まらない。お願いだからいっそ殺して。あなたたちに触って欲しくなんかない、皆に嫌われたくない。体が布に横たえられて、勝手に服の留め具が外されていく。嫌だよ、やめて。とまって、お願いだから。はだけた部分に人の息がかかってぞわぞわする。


「大丈夫、怖くないからね。楽しいだけだから!」


肌が吸われる感覚がする。足が勝手に動かされて、たぶん、間に体が割り込んでくる。怖い、嫌だ。至る所を這う手が気持ち悪い。もう、汚い。汚い。汚い。「胸、小さいね。うん、俺結構好きだな」耳元で囁かれた声にぞわついて、嫌悪感が溢れ出す。あなたに見せる為の体じゃない。嫌で嫌でたまらなくって悲鳴をあげたいのに、体の方が違う反応をしているのも、本当に嫌だ。私って、本当に、汚いんだ。
もう、せめて何も見たくなくて目を閉じる。涙だけは閉じようが止まらなくて、ぼろぼろ零れる感覚が、した。






「フリジットコフィン」


聞き馴染みのある声とともに、爆発的な冷気が空間を覆ったのは、ちょうど目を閉じたのと同時。
心臓が嫌な跳ね方をする。


「とりあえず、うちの返してもらうからね。で、話は最後に聞い…て…」


目を微かに開けて、その姿を探した。こんな姿見て欲しくなくて、嫌われてしまうと思うのに。でも、どうせそうなるならせめて、一瞬くらい。そう思うのに、開いた筈の視界は白い冷気で霞んで、何も見えない。そっか、それすらたぶん、許して貰えないんだなぁ。

シンク。

無理矢理開いた口の端から、ダラリと血が零れた気がする。でも、それでも、見えないなら、せめて名前を呼びたかった。


***

脈絡ゼロ
雰囲気!





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