221 名無しの奮励寮生
「各国の蜂蜜とその活用について」p.21
http://www.pdf...


222 名無しの熟慮寮生
思わず寮二度見したんだが


223 名無しの厳格寮生
食べ物も「美」の範疇…ってコト!?


224 名無しの慈悲寮生
ポム寮生のバイトはラウンジの新メニュー盛り付けにも結構関わってるから、まあ範囲内ではあると思うよ


225 名無しの不屈寮生
あの寮カロリー計算してる野郎ばっかだと思ってたわ


226 名無しの奮励寮生
僕たちだってチートデイぐらいは好きなもの食べるよ


227 名無し勤勉の寮生
カロリー計算に関しては否定しないんかい


228 名無しの不屈寮生
資料ざっと読んだけど、学部生の卒論みたいだな
その割にはだいぶ細かく調べてるから、本人の趣味もあるんだろうが


229 名無しの熟慮寮生
花の種類別じゃなくて国別で蜂蜜を分けてるのは結構珍しい…のか?


230 名無しの勤勉寮生
場所によってはミツバチが活動できない地域もあるし、そうなると別の蜂が蜜集めるからある意味その国に生息してる蜂の種類別とも言えるんじゃないの、知らんけど


231 名無しの慈悲寮生
とりあえず該当部分だけ抜き出すけど、ラウンジ商品開発メンバーはあとでこれ全文読んどけよ
メインにもデザートにも合う蜂蜜書いてあるから

「シュヴェゾーレン村産蜂蜜」
 輝石の国南東に位置するネーベル山の麓・フェーン町にて約90年ほど前に販売されていた。ネーベル山の中腹にあるシュヴェゾーレン村で生産されていたとされている。

 (中略)現存していない蜂蜜であるため、当該蜂蜜を知るフェーン町の住人にインタビュー調査を行った。
参加者3名(以下、それぞれA氏、B氏、C氏)

 A氏によると、シュヴェゾーレン村の蜂蜜は非常に高価なものであった。村から下りて来る者はいつも決まって魔法士の男(以下、D)だった。Dはフェーン町の家を一軒ずつ訪ね、蜂蜜の購入を持ち掛けたという。これに関して、当時のフェーン町は隣村のハナス町との合併前であり、町人が少なかったためと言える。
 A氏は玄関先で父親がDと話す姿を何度も目撃していたが、値段の関係で父親が購入したことは一度もなかった。瓶に詰められた白い蜂蜜を記憶しているというA氏の証言から、シュヴェゾーレン村の蜂蜜はミネラル成分が低く、軽いマイルドな味わいだったと考察する。

 B氏によると、シュヴェゾーレン村の蜂蜜は非常に芳醇な香りであった。バニラよりも甘いそれは長時間匂いを吸い続けていると、酒を飲んだ時のような高揚感があったという(※8)。
 B氏はティースプーン一杯分の蜂蜜を温めた牛乳に溶かして飲むことを好んだ。当時のB氏は事故で右足を損傷した直後であり、痛みで深夜に目覚めるB氏のために母親が用意したのであった。
 B氏曰く、それを飲んだ後は非常によく眠れたのだという。このことから、安眠効果のある花の蜜を使ったのではないかと考察する。

 C氏によると、シュヴェゾーレン村の蜂蜜は母親の好物であった。普段であればC氏やC氏の弟に「たくさん食べなさい」とおかずを分ける母親だが、その蜂蜜だけは誰にも食べさせようとはしなかった。
 一度、子ども特有の好奇心から、C氏と弟は母親の目を盗んで当該蜂蜜を舐めたことがあった。母親は人が変わったようにC氏と弟を詰り(「あれは叱る≠セなんて可愛い表現ができるものではなかった」とC氏は話した)、それは父親が仕事から帰宅し、母親を止めるまで続いたという。
 その出来事から数年が経ち、C氏はDを見かけなくなった。Dから当該蜂蜜を購入していた母親はある日、蜂蜜を求めネーベル山に消え、それ以降、母親が帰ってくることはなかった。
 このことから、人が変わるほどに美味な蜂蜜だった可能性がある。実際、過去には蜂蜜を巡って戦争が起きたこともあり、(中略)Dは若い男であったという証言から、Dの訪問が途絶えたのは蜂蜜を作る蜂の減少などが起きたのではないだろうか。

※8 B氏は当時未成年であり、「酒を飲んだ時のような」という表現はインタビュー時に当時のことを思い出したゆえの感想。


232 名無しの不屈寮生
母親の子を想う気持ちから母親の行方不明に繋げるのは悪意あるだろ


233 名無しの勤勉寮生
さては♰心失いし者♰でいらっしゃる?
蜂蜜以外に興味持つべき箇所あったよね?


234 名無しの高尚寮生
白い蜂蜜なんてあるんだな、初めて聞いた
色で花を特定することはできないのか?


235 名無しの厳格寮生
蜂蜜は蜜源植物によって色の濃淡が生まれるんだよ
色から特定するにしても白い蜂蜜がまったくないわけじゃないし、それだけで花を割り当てるのは難しいだろうな
ちなみになんとなく予想はつくと思うけど色が濃いほど味にクセがある


236 名無しの不屈寮生
Dってカナーギだよな?
村で魔法使えるのってそいつしかいないんだろ


237 名無しの熟慮寮生
昔は防衛魔法を使える魔法士が養蜂することも多かったらしいしな
魔法使えば工程いくつか省けるし


238 名無しの慈悲寮生
しっかし宴会会場に何十人もいたのに、魔法使える人間が一人だけってのも珍しいよな
自給自足で外との交流もあんまなかったみたいだし、遺伝的な問題か?


239 名無しの勤勉寮生
魔力と遺伝子との関連性はまだ実証されてないよ
両親が共に魔法士であっても非魔法士が生まれることだってあるしね


240 名無しの熟慮寮生
魔法科学って全然研究進まないんだよなあ
種族別でも妖精族がダントツ魔力持ち多いってだけで、他の種族は大差ないんだっけか


241 名無しの厳格寮生
はいはい違う話題で盛り上がんない
にしても、何気初めて年数出て来たな
Dがカナーギなのはほぼ確定でいいとして、90年前までは生きてたんだろ?
なら、異界化したのはその前後ってことになるのか


242 名無しの不屈寮生
言うて異界化の原因はまだ解明されてないから、異界化が起こる何か≠ェ90年近く前に起きたことぐらいしか分からないけどな
まあ、カナーギが町に来なくなったタイミングで異界化が起こったって考えるのは妥当だろ


243 名無しの慈悲寮生
質問なんですが、蜂蜜って種類によって効果が違うんですか?
例えば鎮痛作用とか安眠効果とか
(陸暮らし一年目より)


244 名無しの厳格寮生
蜜源植物によって効能は左右されるからそれに対する回答はイエスになります
ついでに鎮痛効果のある蜂蜜も安眠効果のある蜂蜜もちゃんと存在します
(実家が養蜂場の二年より)


245 名無しの熟慮寮生
一応これに関しては科学的にも証明されてるよ
魔法植物を蜜源植物とした蜂蜜も過去には採集されていたみたいだけど、効果があまりにも大きすぎて今では禁止されてるみたい
ただ禁止されてるのはあくまで食用のもので、実験用のものは現在でも取引されてるよ
前クル先に聞いたら、うちの学園にも魔法植物を蜜源にした蜂蜜がいくつか置いてあるって言ってたし
(実家の商売の関係で一時期蜂蜜を調べていた二年より)


246 名無しの厳格寮生
ちなみにミツバチとなる蜂の種類によっても蜜に違いは生まれるぞ
だからシュヴェゾーレン村の蜂蜜を作ってる蜂が独自の進化を遂げていたら、単純な蜜源植物の効果とも言えないかもな
(趣味で昆虫の研究をしている三年より)


247 名無しの勤勉寮生
結局あの蜂蜜なんぞやの振り出しに戻るんだよな


248 名無しの不屈寮生
いやでも蜂蜜そんな重要か?
資料が出てきたからとりあえず目通したけど


249 名無しの慈悲寮生
今のところ蜂蜜関係の怪しい部分と言えば
・監督生たちがしつこく勧められた蜂蜜酒
・村唯一の魔法士による養蜂
・麓の町で高額で販売
・蜂蜜への異様な執着を示す母親

ざっとこれくらい?


250 名無しの厳格寮生
こうやってまとめられるとあの蜂蜜に何かあるんじゃないかって気がしてくる…


251 名無しの勤勉寮生
そういや蜂蜜酒勧められてたんだっけか
あのとき飲んでたら何かわかってたりして


252 名無しの不屈寮生
嬉々として学友売ろうとすんな


253 名無しの慈悲寮生
僕としては蜂蜜を売ってできたお金がどこに行ったのかが気になるな


254 ウツボ
村長の家


255 名無しの奮励寮生
へ?


256 名無しの勤勉寮生
なにゆえいきなり村長が?


257 ウツボ
一枚目カナーギの家
二枚目村長の家
http://www.pic...
http://www.pic...


258 名無しの熟慮寮生
あーなるほど
これは村長が使ったってなるのが自然だわな


259 名無しの不屈寮生
片や人が住んでるかも危ういボロ屋、片や他の民家を横に三つは並べられそうな立派な屋敷ときた
まあわかりやすい格差社会だな


260 名無しの厳格寮生
けどそれじゃあカナーギが養蜂、販売すべてを手掛けてるのにその金全部村長に行ってるってことだろ?
なに?カナーギカツアゲされてんの?


261 名無しの不屈寮生
村唯一の魔法士だぞ?
非魔法士の動きくらい封じられるだろうし自主的に献上してたんじゃねーの


262 名無しの高尚寮生
シュヴェゾーレン村がいつからあったのかは知らないが、非文明的な場所で魔法士が差別されるのはなにも珍しいことではないぞ
魔法士と言えど万能でないのは自分たちが一番よく分かっているだろう
先の妖精族と人間との争いでも魔法に特化していると言われる妖精族が苦戦したのだからな
そもカナーギの魔法士としての能力がもとより低かった可能性もあるが


263 名無しの熟慮寮生
…えーと要するに
カナーギは村八分的な扱いを受けていた可能性があって?
養蜂は押し付けられた仕事かもしれなくて?
麓の町で売って得たマドルはカナーギ自身には渡らず、村長筆頭に取り上げられてたかもしれないってこと?


264 名無しの慈悲寮生
え村恨む要素しかねーじゃん


265 名無しの勤勉寮生
もしかして:異界化の原因カナーギ


266 オンボロ寮生
補足するとカナーギの家は村の中でもかなり外れた場所にぽつんと建ってました


267 名無しの厳格寮生
村八分確定やん


268 名無しの奮励寮生
カナーギの家を見て思ったのだけど、ああなる前に簡単な洗浄魔法なりなんなりかけられたのではないか?
それができていないということは、それだけ魔法士としての素質がないということでは?


269 名無しの熟慮寮生
いや、一概にそうとは言えないかも
俺らって結局魔法の使い方は誰かに教えてもらって初めて正確に理解できるわけだろ?まあカトラリーの使い方とか母国語の習得とかと似たようなものなんだけどさ
村で唯一の魔法士と言われていることから、カナーギの両親は非魔法士、もしくは若くして死んだ可能性が高くなるから、カナーギに魔法の使い方を教える人間が近くにいなかったことになる
周囲に教える人間がいないうえ、魔力を持つ自分を迫害するようなやつばっかの環境で進んで魔法を使おうとすると思うか?


270 名無しの熟慮寮生
でもそうしたらさっきの資料と矛盾しないか?
カナーギを知る人間がカナーギのことを「魔法士の男」って話すぐらいだから、少なくとも麓の町では何かしらの魔法を使う機会があったってことだろ?
養蜂以外で魔法を使わないやつがわざわざ人前でそんなことする?


271 オンボロ寮生
もしかしたら魔法に肯定的な人物がカナーギに接触していたのかもってせんばが


272 名無しの慈悲寮生
あれ誤字?「先輩が」ってこと?


273 オンボロ寮生
すみません話し声が聞こえたので適当な部屋に隠れてます
僕とマリモ先輩はともかくウツボ先輩がかなり幅を取るので、それぞれベッドの下と暖炉の中に身を隠しています
ぺちゃんこになったかび臭い布団が初日のオンボロ寮のベッドを思い出させますね


274 名無しの不屈寮生
さてはお前結構余裕だろ


275 名無しの奮励寮生
あの寮、中までしっかりオンボロだったのか…今初めて君に同情したよ
まさかまだカビ臭いベッドで眠っているのではないだろうね?


276 オンボロ寮生
ご心配ありがとうございます
それに関してはサムさんがかなり値下げしてくれた寝具を使っているので解決しました
最初は流行りのDIYでどうにかしようと思ったんですけど、それを知ったマブ達がクラスメイトを巻き込んでカンパしてくれて


277 名無しの熟慮寮生
相変わらず今年の一年仲良いな


278 名無しの厳格寮生
NRCでカンパしてまともに集まるとか寮長が火曜日にハンバーグ食べる確率だぞ


279 名無しの厳格寮生
…ちょっと待て
そのDIYしようとした寝具と一時期ウチでフラミンゴの羽集めてたのって関係ないよな?
まさかフラミンゴの羽で羽毛布団作ろうとか思ってたわけじゃないよな?


280 オンボロ寮生
その通りですおめでとうございます
景品はこちら、取れたてほやほやの録音データです
http://www.record...


281 名無しの勤勉寮生
監督生氏実はSAN値やばいでしょ


282 名無しの不屈寮生
カンパが友情<同情の可能性が出てきたな…


283 名無しの熟慮寮生
声的に女三人が会話してる感じか


284 名無しの厳格寮生
うわまたバグってんじゃん
誰か訳して〜お願いパパ〜


285 名無しの勤勉寮生
金髪つり目ツインテ美少女になって出直してきてもらってよろし?

「今宵はいよいよモチズキ(?)の日」
「あな恐ろし。誰ぞイザヨ(?)様への供物にお成りになるのか」
「やはりアズサミ(?)ではありませぬか」
「けれどもアズサミはムラオサの御子がお気に召しておられまする。今日なぞも共に影を踏んで戯れていらした」
「ではあのイミゴ(?)を供犠とするので」
「よもや、そのような罰当たりなことを」
「であれば、やはりアズサミしかおりませぬ」
「ムラオサは如何様にするのか」
「ムラオサは如何様にするのか」

そっからはずっと村長はどうするのかーって繰り返してる


286 名無しの不屈寮生
まーたわけのわからん新出単語がずらずらと


287 名無しの奮励寮生
モチズキは望月(モチヅキ)じゃない?
同寮の後輩が時々口にしてるけど、確か満月の別名だったよ


288 名無しの厳格寮生
今日って新月じゃなかった?


289 名無しの勤勉寮生
異界とこっちの天気が連動してるとは限らないデショ


290 名無しの熟慮寮生
イザヨ様っていうのは?
この村が祀ってるのはミカゲであってイザヨじゃないだろ?
さっきあった別スレの引用にも「ミカゲ様のための儀式」ってあったじゃん


291 名無しの慈悲寮生
別々の神を祀ってるにしては儀式のタイミングが合いすぎてるもんなあ


292 名無しの厳格寮生
大体小さな村の中で神様二つも祀るとか喧嘩しない?
ミカゲ=イザヨってこと?


293 名無しの勤勉寮生
わざわざ呼び名を変える理由は?
お偉いさんとその他で分けるならまだ分かるけど、動画では村長の近くにいた村人も例外なくミカゲ呼びだった
普通に考えて村長の近くが上座なんだから、あの辺に座ってた村人もそれなりの地位のはず


294 名無しの厳格寮生
わかった!
シュヴェゾーレン村は異教徒同士の争いの末に異界化した!以上!


295 名無しの奮励寮生
数々の謎を残して無理矢理締めようとすんな


296 名無しの熟慮寮生
アズサミとイミゴは?神様にお供えするってことはヤギとか牛とか羊の異名?


297 名無しの勤勉寮生
そんな異名聞いたことないんだが


298 名無しの高尚寮生
イミゴ=忌み子
望まれずに生まれた子、あるいは不吉な子という意味だ
数百年前まで差別用語として用いられていた


299 名無しの不屈寮生
ママ〜!妖精族が変なこと吹き込んでくりゅ〜!!


300 名無しの奮励寮生
美しくない幼児退行をするのはやめてくれないか


301 名無しの勤勉寮生
美しい幼児退行#とは


302 名無しの厳格寮生
話戻すけど、それが事実なら一度は忌み子を供物にしようとしたってことだろ?
そんでたぶん忌み子を取り下げたのは不吉な子どもを神様にお供えするのは〜って理由で、人間だからではないよな
それって代替案のアズサミも人間の可能性がたかオエ


303 名無しの不屈寮生
皆まで言ってから吐くな巻き込むな


304 名無しの勤勉寮生
いや…きっと良心に負けて動物を生贄にしようとしたんだろ…なあそうだろ?そうだと言ってくれよ…!!


305 名無しの慈悲寮生
野暮なこと言うけど女たちが「誰ぞ」って言ってる時点で人間なのはほぼ確定だったよ
動物相手に「誰」なんて使わないでしょ


306 名無しの奮励寮生
は?????
人間を生贄にする文化が存在すると??
このツイステッドワンダーランドに???
そんな嘘が通じるとでも????


307 名無しの奮励寮生
ひとみ-ごくう【人身御供】
@供え物として人間を神に供えること。また、その人。
Aある人の欲望を満足させるために、犠牲となる人。また、その人。
類:人身供犠じんしんくぎ。生き身供いきみぐ。生贄いけにえ。


308 勤勉寮長
ちなみに調べたら普通に出てくるから造語じゃないよ


309 名無しの不屈寮生
同寮の疑問と心を同時に折ってくの草


310 名無しの勤勉寮生
あまりにも鮮やかな手付き…俺でなきゃ見逃しちゃうね


311 名無しの熟慮寮生
生贄が人間だと仮定して、条件が気になるな…
誰でもいいなら忌み子とアズサミの二択になるのはまずないよな?


312 名無しの厳格寮生
村にどれだけの人間がいるのか知らないけど、忌み子がダメならあとはアズサミだけってなるならまあ何かしらの条件はあっただろうね


313 名無しの慈悲寮生
生贄になりやすい人間とかいないの?オレ的には権力でどうこうできそうな身分の低いやつのイメージ


314 名無しの不屈寮生
一介の学生が人間の生贄について議論してるだけでも異常なのにさらにその斜め下を行くな


315 名無しの高尚寮生
未成年者ではないのか?
報告書にもその年代の被害者が多いとあっただろう


316 名無しの慈悲寮生
そういやそうだった


317 名無しの奮励寮生
でもそうしたらイザヨの儀式とミカゲの儀式は同じってこと?
やっぱり名前が違うだけで同じ神なの?


318 名無しの熟慮寮生
ややこしくなってきたから一旦整理するぞ

「ミカゲ」
・村の奥の祠に祀られている
・ミカゲのおかげで肉が獲れる(狩猟守護の神?)
・影送りの儀=ミカゲに感謝するための儀式
・儀式は夜に行われる

「イザヨ」
・満月の日に儀式が行われる
・儀式は人身御供?
・忌み子を捧げるのは罰当たり→信仰心が強い?


319 名無しの不屈寮生
なるほどわからん


320 名無しの勤勉寮生
ミカゲとイザヨの共通点は夜に儀式を行うことぐらいか
これだけなら別の神様って言えなくもないけど


321 名無しの熟慮寮生
イザヨが祀られてる場所がわかればなあ
ミカゲと場所が違えば別の神だって確信できるのに


322 オンボロ寮生
あの、話がだいぶ変わるんですが
皆さんこれ見てどう思います?
http://www.pic...
http://www.pic...


323 名無しの不屈寮生
詳細を書け詳細を


324 名無しの厳格寮生
まーた怖いお写真ですか


325 名無しの奮励寮生
いや…ただの薄暗い部屋だな
どちらも土の感じが残る煉瓦造りの白い壁の部屋だ
床は壁とはまた違った亜麻色の煉瓦がタイルのように敷き詰めてられている
一枚目は木製の扉のすぐ隣に壁と同じ素材で造られただろう暖炉、木枠が嵌められた大きな窓とすぐ下にベッド、暖炉と背中合わせになるように机と椅子があり、さらにその隣には木を組み合わせた簡単な本棚がある
二枚目もほとんど一枚目と同じだ
違いとしては一枚目よりもベッドが小さいこと、瓶に詰められたキャンディーが本棚に並んでいること、本棚とベッドの位置が逆なこと、本棚にぎっしり本が詰まっていること、机の上に出しっぱなしの本があることだな


326 名無しの慈悲寮生
なんか二枚目チグハグじゃない?
本棚に並んでる本は分厚いのに三段目に急に薄い本…たぶん絵本が並んでるじゃん
しかも背表紙が反対になってたり、小口がこっちに向いてたりでバラッバラ
キャンディーの瓶だって一番上に置いたほうが見栄えいいのに位置は三段目の隅っこ
他の段はきちんと並べられてるのにどうして一段だけ雑なのさ


327 名無しの不屈寮生
それ言ったら机の上も変だろ
右半分はインク瓶に羽ペン、ブックスタンドには本を整列させてるのに、左半分は読み終えてそのまま放置したみたいな絵本数冊とそれに積み重ねるように置かれたやけに分厚い本
どう考えても一貫性がなさすぎる


328 名無しの厳格寮生
なんつーか…子供部屋を大人が使ってるみたいな違和感あるよな
大人が使うにしてはベッドが小さいし、本棚も三段目ってちょうどエレメンタリーの子供の頭の位置だろ


329 名無しの熟慮寮生
村長には子どもがいるんだよね?
その子の部屋なんじゃないの
んで一枚目が村長の部屋


330 名無しの勤勉寮生
明らかに二枚目の方が本の冊数多いのに?
普通大人の方が勉強のためにいろんな本買ってるもんでしょ


331 名無しの厳格寮生
その辺は個人差あると思うけど、生きてる年数が多い分大人のほうが…っていうのはあるよな


332 名無しの奮励寮生
というか絵本読むような年頃の子がその上にある分厚い小難しそうな本読む?
せいぜいジュニアハイスクール生くらいになってから読むものじゃないの、それ


333 名無しの不屈寮生
兄弟で使ってたとか?
エレメンタリーとジュニアハイスクールの兄弟ならギリベッド一つでも寝れるだろ


334 名無しの高尚寮生
通常の民家よりもよっぽど大きい屋敷でわざわざ兄弟一纏めにする必要が?


335 名無しの不屈寮生
うーー−ん…
むずかしい話わかんにゃい!


336 名無しの勤勉寮生
サバナ奴ネットの世界で幼児退行する呪いにかかってんの?






***






「やはり、此方が村長(むらおさ)の御子の部屋と考えるのが妥当でしょうね」
「え〜、でもここ村長の匂いすげーんだけど。ベッドまで匂うし」

 ベッドを横目で睨んだフロイドが、不服そうに片目を細めた。対してチカゲは特に気にした様子はなく、ブックスタンドにあった本のページを捲っている。
 監督生は掲示板に動きがないことを確認すると、しばらくしてぐるりと周囲を見回した。
 疑似的な日常生活を営んでいるだけだからか、締め切られた室内はカビ臭く、埃が溜まっている。廊下と部屋を繋ぐドアの下に轍のような跡が残っており、よく見れば新雪を歩いたように薄っすらと足跡が床に付いていた。
 監督生はその足跡を目で辿り、真っ直ぐ机に向かっていることに気付いた。ちょうど、チカゲが立っている位置である。
 
「オレ、隣見て来よ〜。こっちいても暇だし」
「え、でも別行動…というか単独行動は危なくありません?」
「アハッ、ウケる〜! 小エビちゃんと違ってオレ魔法使えるんだけど」
「いやそれは知ってますけど」

 フロイドが大股で歩き回るたびに埃が舞い、気持ち程度に顔の前で片手を振る。ぱらぱらとページを捲るチカゲを真似るように本棚に近付き、監督生は手近な一冊を手に取った。

 手に取って、ほんの少し眉を顰めた。

(ここに来て公用語英語かあ…)
 
 26文字のアルファベットで構成された、元の世界でも見慣れた言語。不思議なことにツイステッドワンダーランドでも公用語として用いられているらしく(但し話言葉は日本語だった)、英語の成績が可もなく不可もなくな監督生は学園長に事情を話し、学園内にいるときのみ作用する翻訳魔法をかけてもらっている。
 それはつまり、学園の外にいる今は素の英語力に頼る他ないことを意味していた。
 目が滑りそうになる文字の羅列をどうにか解読しようとするが、監督生の気持ちを裏切るように頻出する魔法(magic)≠竚ゥたことのない単語の数々。恐らく魔法関連の専門書なのだろう。魔法の素養も英単語の知識も乏しい監督生にこの本を理解するのは到底無理な話であった。

 監督生はひとつ溜息を吐き、布団を捲っていたフロイドに頼もうと振り返る。息を吸い込んだところでフロイドがぐりん、とタイミングよく振り向き、驚いた監督生の口から喉に餅を詰まらせたような呻き声が出た。

「小エビちゃん、なあに一人で遊んでんのぉ?」
「ングッ、げほっちが、」
「大丈夫ですか、監督生さん。フロイドさんも、どうかされましたか?」
「ア? オレが何しようと勝手じゃね」
「あらあら、それはすみません」

 監督生の背を摩ったままにこりと笑うチカゲは怯えているようには見えず、突然機嫌を損ねたフロイドの対処に戸惑う様子もない。
 じっと頬の上に微笑を描いたまま、チカゲがフロイドを見遣る。そのまま五秒ほど。チカゲは得心したように目を細めた。

「お気持ちは解かりますが、監督生さんがおっしゃっていたように単独での行動は危険が伴います。フロイドさんの邪魔は致しませんので、これも連れていって頂けますか?」

 疑問に思って顔を上げれば、チカゲが懐から人型に切り抜かれた白い紙を取り出した見せてきた。

「……形代(カタシロ)?」
「あら、ご存じなのですね」

 監督生も本物を目にするのは初めてだが、和をテーマにした創作物では比較的よく出てきた道具だ。確か実際には、自分の穢れを移して祓うために用いるのではなかっただろうか。

「ご指摘の通り、これは形代とも人形(ヒトガタ)とも呼ばれています。本来であればまた違った使い方をするのですが……私たちはこれを式として使うのですよ」

 水を掬うように形代を両の手のひらに置いたチカゲが、ふ、と短く息を吹く。僅かに浮き上がった形代は刹那、チカゲの手を離れ、意思を持ったようにふうわり彼の周りを旋回し始めたではないか。

「え〜なぁにぃ今の。魔法使ってねーよね」
「ふふっ、企業秘密です」
「えっ、魔法じゃないんですか!?」

 仕組みは不明だが手品の類ではないだろう。しぃ、と人差し指を口許に宛てたチカゲには、どこか女性的な色気があった。

「いいよぉ、オレ今気分いいから連れてったげる」
「ありがとうございます」

 鼻歌でも歌いそうな声のトーンのフロイドを見送れば、室内は面白いほどに静かだった。あまりの静寂に監督生は声を出すことも躊躇われたが、視線を落とした先にある本の存在におずおずと口を開いた。

「チカゲ先輩、この本お願いしてもいいですか?」
「本…? ああ、なるほど。構いませんよ」

 表紙を見て察したのかひとつ頷いたチカゲは、自然な動きで彼が持っていた本と監督生の持つ本を入れ替えた。

「監督生さんは月影(げつえい)語をご存じなのでしょう? こちらにある言葉はあまり硬くないので、問題なく読めると思いますよ」
「げ、げつえい…?」

 疑問を呈する間もなかった。
 首を傾げる監督生を置いてけぼりに、チカゲは手元の本を読み進めていく。なんとかなるかの精神で表紙を開いた監督生は、そこに並んだ文字に目を瞠った。
 チカゲの言う通り、監督生は確かにその言語を読むことができた。なにせ羅列しているのは元の世界でも馴染み深い日本語≠セ。多少監督生の知るものよりも古臭く感じるが、国語の教科書で触れるような純文学の文体だと思えばそれも些細なことである。

 監督生は細い筆跡を目で辿り、それが日記であり、かつ何冊目かのものであることを察すると、ブックスタンドに揃えられた同じ背表紙のものを取り出した。時系列順に確認しようと思ったからだ。
 けれども奇妙なことに、手に取ったもう一冊の日記は月影語とは異なった言語で綴られていた。日付が記載されているところから日記であることは間違いなさそうだが、同じ人物が書いただろうに何故言語が違うのか。
 
「チカゲ先輩、これ…」
 
 監督生は迷った末、チカゲに頼むことにした。彼がこの言語に精通しているのかは定かではないが、まったく読めない監督生が持っているよりもマシだろう。

「ああ、こちらは別でしたか」

 目を通しておきますね、と朗らかに言うチカゲにほっと息を吐き、監督生は礼を言って始めに持っていた日記に取り掛かった。
 どうやらこの日記の持ち主は村長の息子らしかった。日付からして毎日書いているわけではなく、それゆえに事が起こった日や流れがわかりやすくなっている。
 机上の羽ペンで書いたのだろう、細く引っ掻いたような長く跳ねた癖字をしていた。
 
『無事に宿りの儀を終た。彼女は結局、私に縋ることはなかつた。儀の寸前までイミゴと両の手を重ねる様のなんといまいましいことか。
 宿りの儀を見届ける役目は邨長のみだが、父に無理を云ひ同行を赦された。眞白い衣裳を纏つた彼女は、まるで花嫁御のやうだと今でも思ふ。見てくればかり美しく、其実イミゴに懸想する馬鹿な女を、屹度私は忘れることができないのだらう。あゝ、いまいましい』

 監督生はそこまで読んで、眉根を寄せた。生憎とこれより前の日記は存在せず…というより、監督生の読める言語で書かれていないため、彼が何を思って彼女≠ノ愛憎抱くことになったのか知る由もない。現段階では彼が見当違いな恨みを彼女に向けていたようにしか思えず、監督生の脳内では彼と彼女とイミゴによる昼ドラが始まりかけていた。
 
『おかしい。もう三日も過ぎたといふのに、未だイザヨ樣の天惠は現れておらぬ』

(天恵……天の恵み?)

 監督生は宴会の席で村人が話していたことを思い出し、思案する。テーブルに並べられていた肉料理を村人は神の恵みだと話していたはずだ。現れないと明言されているのであれば儀式の後に天恵とわかる何かが必ずあったということだが、恐らくあの肉がそうなのだろう。
 生贄を納めて返礼が来るというのはなかなかにファンタジックで、監督生は俄かに信じ難かった。家の前に猪が横たわっているとでも言うのだろうか。

 それからしばらくは現れない天恵について、儀式に誤りがなかったか男は記憶を反芻すべく何度も振り返っていた。天恵が現れないことは余程の異常事態なのだろう。
 異変は天恵だけではなく、村の食料源である野生動物や木の実が獲れなくなったことも挙げられていた。毎日のように見ていた鳥が姿を現さなくなり、育てていた木の実は熟す前に朽ちたのである。麓の町で物を買おうにも移動時間の長さから買える物は限られ、次第に金も底が見え始めるようになった。養蜂に手を付けたのはその頃であった。

『邨に不幸ばかりが訪れる。宿りの儀を求む声が増えた。適齢の者は恰度壹人。其れを遣おう』
『何故だ、何故天惠が現れぬ。仕損じたのか。壹度ならず貮度までも儀式を■■■■■
 否、私に過ちは無かった。明日、祠を見に行く。何か分るやもしれぬ』

 インクを溢したのかそれとも故意にか、黒く染まった言葉はもともと何が書いてあったのか解読することはできなかった。
 諦めて次のページを開く。一番始めに書かれた一文に、監督生は息を呑んだ。

『彼女が居た』

 震えた筆跡だった。余裕がなかったのだろう。罫線からはみ出したそれは、当時の彼の動揺を表しているかのようだった。
 
『彼女が居た。コンユウカに囲まれた祠の傍で泪していたのだ。何故と思ふよりも先に、彼女の生を?ぶ私がいたことのなんと皮肉な事であるか。
 まるで昔に戻つたかのやうだつた。彼女は私に微笑し、手を伸ばし、名を呼ばふた。竟に私の想ひは叶つたのだ』
『彼女と過す時は夢のやうであつた。イミゴではない、彼女の隣に居るのは私なのだ。只壹つ、彼女に觸れたいと願うのは過た欲だらうか』
 
「監督生さん」

 声をかけられ振り返る。棚の本を読み終えたのか、チカゲが監督生が手に持ったままのスマホをしげしげと眺めていた。

「こちらは粗方終わりました。報告は…ええと、すれにしたほうがよろしいのでしょうか?」
「そういえば、先輩スマホ不慣れでしたっけ」
「お恥ずかしながら」

 チカゲが困ったように頬に手を宛て小首を傾げると、射干玉の髪がさらりと音を立てた。立ち居振る舞いといい、どこか現実離れした人である。
 スレを動かしてみると、どうやら音声入力ができるようであった。これならばとチカゲにやり方を教え、マイクの場所を指し示す。両手でスマホを受け取ったチカゲは如何にも不慣れですといった様子で、監督生は思わず笑みを溢した。






***






359 オンボロ寮生
もし、聞こえていらっしゃいますか
わすごい文字が


360 名無しの厳格寮生
…監督生?


361 名無しの勤勉寮生
なんか様子変だな
音声入力か?


362 オンボロ寮生
御名答
それから私は監督生さんではなく、こちらでマリモと呼称されている者です
監督生さんはいま二冊目の日記をご覧になっているので、その間に私から二枚目の写真にあった書物についてご報告させていただきたく
監督生さんに音声入力なるものを設定していただき、すまほをお借りしている状態です


363 名無しの奮励寮生
待ってくれ
ちょっと待ってくれ


364 名無しの奮励寮生
正直動画に時折映り込む後ろ姿で薄々勘付いてはいたんだ
我が寮の伝統的で優雅な寮服を身に纏い、黒壇の髪を特徴的な髪紐で結んだ生徒なんてうちには一人しかいないのだから…!


365 名無しの奮励寮生
まさかとは思うが寮長に外出許可証を頂いてないなんてことはないだろうね?
君はすぐに行方不明になるからと、寮長と副寮長による外出先のチェックがなければ学園の外に行くことは禁止されていたはずだろう?


366 名無しの熟慮寮生
なに…なんでおポムこんなに湧いてんの…


367 名無しの勤勉寮生
あのう、恐らく同じ性癖の持ち主として忠告したいんですがリアルで監禁するのは控えたほうがよろしいかと…


368 名無しの奮励寮生
監禁ではない保護だ


369 名無しの奮励寮生
これまで彼が相対した怪異の数を知ってから物を言ってくれ
今は落ち着いたが、彼が入学したての頃はほんの数秒目を離しただけで隣にいたはずの彼が怪異の餌食になっていることがザラにあったんだぞ

おかげでNRCを根城にしていた怪異のうち四割が去年のうちに消え去った


370 名無しの不屈寮生
初耳なんだが??


371 名無しの厳格寮生
四割ってなに…?なんであたりまえのように怪異が存在してんの?聞いてないんだけど??


372 名無しの高尚寮生
なんだ誓約書を読んでなかったのか?
「学園内で起こった不慮の事故による死傷に関して、学園は一切責任を負わないものとする」と書いてあっただろ


373 名無しの慈悲寮生
それ読んで「オッケー怪異のことね」とはならんやろ


374 オンボロ寮生
ご歓談中申し訳ありませんが、こちらも時間がありませんので続けさせていただきますね
まず、本の内容は大まかに三つでした
一つは植物に関するもの
一つは養蜂に関するもの
そして、もう一つは死者蘇生に関するものです


375 名無しの熟慮寮生
オア゛…


376 名無しの勤勉寮生
死者蘇生とか禁術中の禁術じゃないですかヤダーーー!!


377 オンボロ寮生
死者蘇生と一口に言いましても民間伝承から専門書まで種々ありまして…
随分と熱心に勉強なされていたらしく、どの本にも細かく覚書きがなされていました
そのうちの何冊かは魔法の使用を前提としておりますが、一体どうなさるおつもりだったのでしょうね


378 名無しの厳格寮生
どうってそりゃ、魔法使って死者蘇生を叶えようとしたんでしょ


379 名無しの熟慮寮生
魔法士が村に一人しかいないのに?


380 名無しの慈悲寮生
あっ


381 名無しの不屈寮生
一応訊くけど、カナーギが村長の身内or親しかった可能性は?


382 名無しの熟慮寮生
カナーギの家は写真にもあったように村の外れにある
彼が元はこの家の住人だった可能性もなくはないだろうが…まあ確率としては低いな


383 名無しの厳格寮生
仮に魔力があると発覚してから待遇が変わったのだとしても、わざわざ別の家は建てないだろうね
そんな労力割くくらいなら山に捨てた方が早い


384 名無しの奮励寮生
発想が物騒なんだよな…


385 オンボロ寮生
それから、養蜂関係の書物には特に不審な点は見られませんでした
但しこちらも、魔法を使用することによる作業の簡略化について記述のあるものでしたが


386 名無しの不屈寮生
マジでカナーギ関係ねーの?
魔法使える人間そいつしかいないのに?


387 名無しの高尚寮生
いや、村長がカナーギを適切に使うために仕入れたのだとすれば辻褄が合う
子どもの部屋にあるのも長の引き継ぎか、子ども自身が勉強熱心だったからかもしれない


388 名無しの慈悲寮生
つまり魔法が使えるカナーギに死者蘇生と養蜂をやらせようと?


389 名無しの勤勉寮生
すでに養蜂はやってるから無駄に説得力あるのよ
ハアーこれだから上の人間は┐(´д`)┌ヤレヤレ


390 名無しの熟慮寮生
問題は誰を蘇生させるつもりだったのかだ
今の段階で死亡が確定した人間はいないはずだよな?


391 名無しの奮励寮生
まあ異界化してるのだから広義では全員死んでるだろうけど…
特定の人物が(恐らく)異界化の前に死亡したという点については現時点では分かってないね


392 オンボロ寮生
もしかしたら日記に手がかりがあるかもしれませんので、私の報告が終わり次第監督生さんに交代しますね


393 名無しの慈悲寮生
オッケーよろしく
あとは植物関連だっけ?


394 オンボロ寮生
ええ
植物に関する本…いえ、あれは図鑑と表するのが正しいですね
計五冊のうち一冊
さらにそのうちの一ページに折り目が付いており、そこには村人の身に咲く花と酷似したものが描かれていました
名をコンユウカ
別名、ニンフのいざないと呼ばれる花だそうです


395 名無しの奮励寮生
まったく知らない名前が出てきたな


396 名無しの熟慮寮生
植物オタクの俺氏、見覚えがないだけじゃなく花自体知らなかったことに発狂不可避


397 名無しの勤勉寮生
気持ちはわかる、だが落ち着け


398 名無しの厳格寮生
地域なり環境なりで適応した結果別のものが生まれることだってあるんだし、そんな気にするもんか?


399 名無しの熟慮寮生
気にしてるから発狂しかけてるんでしょ


400 名無しの勤勉寮生
待ってオレその名前見たことあるかも
図書室の本で読んだと思うからちょっと履歴遡ってくる


401 名無しの勤勉寮生
あった!「魔法生物大全−進化と衰退−」ってやつだ!
魔法生物って書いてあんのに普通に植物も載ってたから記憶に残ってるわ


402 名無しの不屈寮生
そんなタイトルじゃ植物オタクがスルーするのも当然だわな


403 名無しの高尚寮生
魔法生物の生物って、生物化学物理の「生物」なんじゃないの
だから植物も動物も範疇


404 名無しの厳格寮生
オレ今図書室近いからその本探してきてあげよっか?


405 オンボロ寮生
よろしくお願いします
こちらにある図鑑は出版年が百年以上前なので、もしかしたら学園のものにコンユウカに関する新しい情報が追加されているかもしれません


406 名無しの奮励寮生
調べたら魔法生物大全は58年前に出版されたようだ
それでもかなり年代物だが、新規情報の見込みはあるね


407 オンボロ寮生
では、本が見つかるまでの間に
コンユウカとは魔法植物に類される草本性のツル植物です
図鑑には白い蕾状のものが手書きで描かれていました
湿地帯…特に湖の傍で群生することが多く、一説では湖が枯れると同時に一帯のコンユウカもすっかり萎びてしまったのだとか


408名無しの高尚寮生
別名はそこから来たのだろうな
ニンフのように山や川といった自然を住処とする精霊の名は象徴的で分かりやすいのだろう


409 名無しの不屈寮生
自然を守る存在でもあるんだよな
精霊学で習ったわ


410 名無しの慈悲寮生
ま、創作物のイメージが先行して今じゃ怖い面のほうが有名だけどな


411 オンボロ寮生
不思議なことに、コンユウカは多くの場合花を咲かせることなく生を終えるのだそうです
そもそもコンユウカ自体が非常に珍しい花らしく…天然のものを見つけ出すのは至難の業だとか
コンユウカを描いた作者の方も、可能であれば自然開花したコンユウカの姿をかきたかったとあとがきに記しておりました
加えてコンユウカは大変芳しい甘い香りを周囲に漂わせ、人々を虜にするのだそうです
ふふ、これもまた有名なニンフの伝承に似ていますね


412 名無しの勤勉寮生
森の中を歩く旅人を魔力で惑わせたり、取り憑いて正気を失わせるってやつね
恋人が数日間帰って来なくて、心配した主人公が探しに行ったら実は…って悲恋モノでよく見るタイプの


413 名無しの高尚寮生
まあ精霊もたくさんいるから…ね?


414 名無しの厳格寮生
ね?じゃないんだが?


415 名無しの熟慮寮生
本当に怖いのは精霊だったパターンやめてください


416 名無しの不屈寮生
湿地帯が自生地なのにシュヴェゾーレン村の住人に寄生してるっておかしくねーか
そこ高山地帯なんだろ
湿度は高いかもしれねーが、湖なんかあるような場所か?


417 名無しの勤勉寮生
空中写真でネーベル山一帯見てみたけど、肉眼で見えるレベルの湿地帯はなかったでつね


418 名無しの熟慮寮生
俺の予想だと村人の身体(=血液)が湿地帯の代わりになってるんじゃないかなって思うんだけど、合ってると思う?赤いコンユウカもあるみたいだし
あでも、咽頭から覗いてるのもあるってことは唾液なのかな


419 名無しの厳格寮生
いらない予想どうもありがとう首落ちろ


420 名無しの奮励寮生
シンプルに死んでくれ


421 名無しの厳格寮生
417の予想が当たってるとしたら、コンユウカが咲く条件は生物への寄生なのかな
それか十分な水分


422 名無しの慈悲寮生
湿地帯で群生するなら水分は重要そうだよな
色に関してはなあ
色違いの花なんて山ほどあるしなんとも


423 名無しの勤勉寮生
人間を虜にする香りっていうのも気になる
人間がつられるなら匂いにより敏感な動物はもっと引っ掛かりやすそうだし、もとから寄生植物だったのかもね


424 名無しの不屈寮生
珍しい植物なら生態が分かってないのも当然だろうな
人工的に育てられたコンユウカがあったとして、少なくとも生き物の血を与えようとはしないだろ


425 名無しの厳格寮生
本探してる間にめっちゃ物騒な考察立てられてるんだけど
えそれマジのやつ?
とりあえずお探しのやつ見つけたから写真アップしとくよー
http://www.pic...

やっぱ珍しい植物だからか、たいしてページ数もなかったんだ
勤勉寮の子だっけ?本当よく覚えてたね


426 名無しの勤勉寮生
ちょっと私的な活動のあれそれの資料に使ったんで…ハイ…


427 名無しの熟慮寮生
「コンユウカ/魂誘花」
湿地帯に生息する魔蓮蔓科の多年草。別名ニンフの誘い、ナイアスの涙。
全草に有毒物質を持つが、特に花に多く含まれる。摂取した場合、頭痛や嘔吐、意識障害、幻聴、幻覚などの症状を起こす。また、非常に依存性が高く、麻薬の原料として用いられたこともあった。
花には強い芳香があり、それを利用して種子や花粉を運ぶ。別名はニンフのように人間を誘い込むことが由来であると推測。


428 名無しの奮励寮生
オレの妄想だと思うんだけど、シュヴェゾーレン村ってコンユウカ使って蜂蜜作ってなかったっけ


429 名無しの不屈寮生
妄想じゃなくてほぼ事実なんだよな…


430 名無しの慈悲寮生
危ないお薬の原料として使われてた花から作った蜂蜜ってこと?
花の毒って蜂蜜になっても作用するの?


431 名無しの熟慮寮生
ばっちり作用するし大昔には毒性のある花の蜂蜜使った戦術もあったよ
疲弊して空腹に喘ぐ敵兵にわざと蜂蜜を舐めさせて意識障害起こしてる間に討つってやつ


432 名無しの慈悲寮生
やはり陸はクソ


433 名無しの高尚寮生
卒論のインタビュー調査にあった母親がいなくなったのってさ、コンユウカの蜂蜜に依存症状起こしてたって可能性あるくね?
だから自分以外の誰にも譲ろうとしなかったし、蜂蜜のために家を出た


434 名無しの厳格寮生
麻薬として使われてたんなら高揚感とかもあったんかな
そういえば吸い続けると飲酒時の高揚感に似たものがあったとか言ってませんでした?


435 名無しの勤勉寮生
(言って)ないです


436 名無しの不屈寮生
ぼくさ好物が蜂蜜なんだ
小さい頃は蜂蜜入りの壺を持ち歩くぐらい蜂蜜好きだったし、今でも蜂蜜入りのお菓子に飛びつくぐらいは好きなんだよ
それなのに実はほぼ麻薬の蜂蜜の存在を出されてさ…おまけに戦争である意味毒と同じ使われ方してたとか…ぼくはこれからどんな顔して蜂蜜舐めればいいの…?


437 名無しの厳格寮生
蜂蜜と麻薬っていうありえない繋がりができたせいで思わぬところに被害がいき始めたな


438 名無しの奮励寮生
書いてないけど、コンユウカの香りにも麻薬に似た作用がありそうだよね
魔法植物なら香りに含まれた魔力で人間を酔わせることも可能だし


439 名無しの慈悲寮生
マリモが読んでた本にも似たようなこと書いてあったよな
あっちは魔法植物云々ってのは記述なかったけど


440 名無しの熟慮寮生
やっぱりおかしいって、非魔法士がほとんどの村で魔力で人を惑わせる魔法植物が群生してるとか
魔法士ならある程度魔力自体に耐性あるけど、非魔法士はそうじゃないだろ
ってことは、魔力酔いしやすいってわけだ
コンユウカの匂いが選択的に出てるならまだしも、絶え間なく匂ってんなら分別のない子どもが数人、匂いに誘われて行方不明になっても不思議じゃないだろ
なんなら村人全員匂いで中毒症状出てた可能性だってある


441 名無しの奮励寮生
匂いだけならそこまで重い症状は出ないんじゃないかな
単純に思考能力ぼかすだけの軽い催眠作用とか


442 名無しの勤勉寮生
>>134
それに突然なにもないところに怒鳴ったり怯えたりして、かと思えばアハアハ笑い出したりぼーっとしてたり


443 名無しの厳格寮生
なにもないところに怒鳴ったり怯えたり→幻覚&幻聴
アハアハ笑い出したりぼーっとしたり→薬切れ


444 名無しの慈悲寮生
うーんこの


445 名無しの熟慮寮生
本当蜂蜜酒飲まなくてよかったな…