碧落ラストコネクション


四天王してんのう──赤、青、黄の世界三大国に存在する数多くの戦士の中から最も優れるとされる、選ばれた4人の戦士。


「各国に4人ずつ…つまり、世界で合計12人。その中でも、赤の国は愚か世界中の四天王の中で最強と言われている戦士……それがシグナル・レッドよ」

ソレイユはその事実に驚愕した。あの時は彼の実力を測れた訳ではない。きっと、シアン程ではないものの彼も世界最強…只者ではないだろう。

「つーかお前、そんなヤツと会ってよう殺されへんかったなぁ」

「え?シアン彼に助けられましたよ?」

「え」

その発言にサルファーとマゼンタは固まる。シアンはそんな2人を気にも留めず続けた。

「なのでお礼に助けました!」

「ん……んん?」

「あ、でもソフトクリームに関しては許しません」

「ちょ、ちょお待て。何の話してんねんお前」


最初の2つはソレイユも何となく理解出来たが、最後は意味が分からなかった。何だソフトクリームって。

「んで、そのシグナルくんに例のメモを渡してきました!」

平然と言ってのけたシアンに、メモとは何だとソレイユは首を傾げる。対して沈黙したサルファーとマゼンタは、目も口も大きく開いていた。

「「はぁぁああ!?!?」」

「うわっ!?」

突然大声で叫び出した2人にソレイユの肩は大きく跳ねる。ソレイユはそのままシアンに問い詰める2人をハラハラしながら見た。

「アンタ何考えてんの!?あのメモは勧誘用にここの電話番号と住所と地図書いてんのよ!?」

「何犯罪者でもないヤツに渡しとんねんアホか!!!しかも四天王No. 1やぞ!?絶対利用されるであのメモ!!!」

「ええ〜?そんな事ないですよ〜シグナルくん優しいですし、ヒーローですし、そんな事しませんよ〜!!」

「そのヒーローが倒すのは誰やと思ってんねん!!!!!」

サルファーの言葉に、終始ニコニコしていたシアンはピタッと動きを止め真顔に戻った。


「あ」

「あ、やないわアホか!!!!」

「もうダメだわ…この組織も終わりよ……」


3人のやり取りを見て、ソレイユは改めて思った。


「(コイツら、本当にS級犯罪者なわけ…?)」



***



空が黒くなった頃、暗闇に浮かぶ満月は赤を照らしていた。赤い建物、赤い塔、そして自分の赤い髪。冷めた夜の風が白い頬を撫でた。

赤の国の長や四天王、戦士たちの拠点…赤の国の本部と言われる高層ビル。シグナルはその中にある休憩室で大きなガラス窓を開け、満点の星が散りばめる夜空を眺めていた。

右手に握っているのは、小さな紙切れ。朝空のように薄い水色の髪をした少女がくれた、危険な世界への架け糸。…それを辿って空遠へ行くかどうかは、自分次第。

彼女は何を思って、俺にこれをくれたのか。

あの日からずっと気になっていた事を、今もまた考える。シグナルとシアンは敵同士で、増してやこんな情報を交換して良い仲ではない。シグナルが長にこの紙切れの事を報告すれば、彼女たちの組織のアジトを掴める。 完全に、こちらが有利な状況だ。

そう考えていた時、扉からノック音が聞こえた。


prev next