#02赤の迷走 D
「えっとですね、ソレイユくんはまだ子供で、犯罪者としても経験が浅いです。そこで、教育係をつけようと思います!」
「はァ!?僕ガキじゃねぇし!んなもんいらねぇよ!!」
「てことでマゼンタよろしくなのです」
「「は!?」」
見事にハモったソレイユとマゼンタは互いに顔を見合わせる。マゼンタはシアンを思いっきり睨んで言った。
「何で私がこんなガキを…!そもそもアンタが誘拐したんだから、アンタがやりなさいよ!」
「だってソレイユくんシアンにめっちゃ怯えてるんですもん」
「ゔっ…」
バレていたのか、とソレイユは目を逸らした。峰打ちとはいえ自分を殺そうとした人間に恐怖を抱くのは当然の事だ。…それもソレイユの勘違いだった訳だが。相手が“世界最凶”の犯罪者となれば尚更。
「……まあ仕方ないわ。シアンの話だと、もう部下もいないんでしょ?帰る場所すらないなら、ここにいるのが安全だし」
「…………オバサンに何を教われってんだよ」
「何 か 言 っ た ?」
「……べ、別に」
一文字ずつ区切って話すマゼンタに、ソレイユは目を逸らした。その視線の先にニコニコしたシアンがいて慌てて視線を戻した。
黒い笑みというわけでもないのに、その純粋な笑顔でさえ恐怖の対象だった。
そんな様子の彼を安心させるかのように、サルファーが口を開いた。
「あー…まあこんな組織やけど、よろしくしたってな」
常識人がいたことにソレイユは感激する。見た目はチャラいが、イケメンでイケボで優しいサルファーに憧れの眼差しを向けていた。
「で、話は変わりまして新メンバー勧誘の話なのですけど、お2人はいい人見つけました?」
シアンが思い出したように問う。またS級犯罪者が増えるのかとソレイユは身震いした。一応自分もその1人ではあるのだが。
「私はそういう仲間とか知り合いなんて全くいないから無理よ」
「あ!そうでしたねぇ〜マゼンタ友達いませんもんねぇ〜!!」
「うっさいわね!!!」
ニヤニヤしながら言うシアンの語尾には草が生えている。その態度に涙目になって叫び不貞腐れたマゼンタを見て、サルファーは溜息をついた。
「オレは一応…1人だけ、心当たりあるわ」
「おおっ!本当ですか!!」
「おー。オレがまだ黄の国におった頃、何回か話した事のある奴や。ちなみに女な」
ソレイユはサルファーが自分と同じ黄の国出身である事に喜びを覚えた。仲間が増えるかもしれないとソワソワするシアンを、サルファーは頭を撫でて落ち着かせた。
「ゆーてもソイツ、今行方不明やから見つけるのは大変やで?もしかしたら死んどるかもしれんし」
「見つけてみせるのです!マゼンタ、調査頼みましたよ!!」
「……ハイハイ」
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