碧落ラストコネクション


「ヒャッホォォオオォイ!!!!」

ドンッ!!!

黄の国中心部…つまり本部や情報部がある辺りのとあるビルの屋上で、シアンとマゼンタはソレイユの様子を見ていた。

黄の国民を避けるかのように起こる爆発。それについていくように飛び回るソレイユ。
オレンジ色の煙に包まれながら雄叫びと共に鳴り響く爆音に、マゼンタは頭を抱えた。

「…うるさい」

「仕方ないですよ〜爆発ってのはそういうものなのです!」

「そっちじゃなくてあのクソガキの声がうるさいのよ!あいつ毎回あんな感じらしいじゃない。今回は良いけどテロリストとしてもっと自覚を…」

ぶつぶつ文句を言うマゼンタは流石ソレイユの教育係と言うべきか、最早オカンだ。彼のハイテンションにドン引きしているが、爆弾を仕込むスピードや技術に関しては、マゼンタも認めている。
根は優しい彼女にシアンが微笑んでいると、突然マゼンタがシアンを睨んだ。

「お?どうしました?」

「…そもそも、さっきのアンタの命令は何?舐めてんの?」

マゼンタの言葉にシアンは先程告げた命令を振り返る。どうやら彼女には不満があるらしい。


『まずソレイユくん、テロっちゃってください』

『よっし!やっと僕の出番だな!!で、どこに仕掛けたらいいんだ?』

張り切るソレイユに、シアンは告げた。

『人は殺さず、建物の無い所にお願いします』



「S級犯罪者が何一般人の心配してんのよ」

目的のためなら手段を選ばず、自分が都合良く動ける最善の道を走るタイプのマゼンタに、シアンの考えが合わない事はかなり多い。睨むように言うマゼンタに、シアンは笑顔で答えた。

「今回のシアンたちの目的は、殺人ではありませんから」

「…………」

本当にこいつはあの“世界最凶”の犯罪者なのかと疑ってしまう発言。しかしシアンの実力は本物だ。マゼンタ自身、何度も何度も殺そうとした。それでもマゼンタは、シアンに傷ひとつ負わせた事がなかった。

「…そもそも、今までの隠密行動はどうしたのよ?何で急に目立つ事なんか…」

「さっきも言ったでしょう?今日から“碧”は表に出る。しかしそれで活動がし辛くなる…なんて心配はいりません。なんせこのシアンがリーダーなのですから!」

ドヤァと効果音が付きそうな勢いで目を煌めかせるシアンにイラっとする。しばいてやろうかと考えていると、シアンの顔は突然真剣なものになった。

「さて、そろそろマゼンタの出番なのです!」

「…!」

シアンの言葉にマゼンタははっとする。本部の方から、黄の国の戦士たちがゾロゾロと出てきた。シアンはそっちを指差して言う。

「“魅惑の歌姫”、彼らの足を“止めて”ください!」

ニヤリと笑うシアンに、マゼンタもつられて笑った。

「“碧”としてアンタに従うのも久々だわ…そういう事なら得意分野よ。任せなさい!」

そう言うと同時に、マゼンタはオレンジの煙の中へ飛び込んだ。



***



ドンッ!!!!

ソレイユの最後の大型ダイナマイトが爆発した。連続の爆発により黄の国はオレンジ色の煙に包まれる。煙が晴れる頃には、黄の国の戦士たちがライフルを持ってソレイユを囲んでいた。

「!!」

「ソレイユ・オレンジ、ターゲットロックオンしました!!」

「うわっ…マジかよこれ僕ピンチじゃね!?まさか四天王も混じってたりしねーだろうな…!!」

残念な事にソレイユの読みは当たっていたようで、輪になって囲んでいる戦士たちの後ろには、色素の薄い金色の髪の男がいた。

「(あれは…黄の国四天王No.1、レモン・イエロー…!!よりによってあいつかよ!!)」

呪術を得意とする彼に、ソレイユの物理攻撃は相性が悪い。ここは一旦、シアンの所へ戻った方が良さそうだ。
その時、ソレイユの前にピンク色の影が降り立った。



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