D
放課後。
いつもの部活時間は、いつもとは違っていた。
「「「きゃーーっっ!!!」」」
「繋海くんかっこいいー!!」
「あんなイケメンいたっけ!?」
「あの人、成績学園トップなんだってー!!」
「は!?ってことはモサ男の!?全然違うじゃん!!」
「実はイケメンだった〜って事?ギャップやばくない?」
みなさん、聞きましたか今の。俺の名前が出ましたよ。俺の話題で盛り上がってますよ。ギャップやばい、ですって!!
「繋海!パス!!」
「ほいよっ!」
バスケ部の仲間の佐藤からボールを託される。俺はその場でシュートして、ボールは見事に入った。フリースローは大得意だったりする。
「「「きゃーーっっ!!!」」」
ああ……夢にまで見た光景………
ちょー気持ちいい………
「まさかモサ男がモテ男になるとはな」
「俺、今朝こいつに挨拶されたけど誰かわかんなかった」
「まじかよ!」
佐藤と田中が俺を見て大爆笑。語尾に「www」が見えるのは気のせいじゃないはずだ。
「で?そのお前がお探し中の女子は見つかった?」
「……全然。みんな見たことねえって」
佐藤を含めた他のバスケ部員やクラスメイトにも聞いた。違うクラスの友達にも、先輩にも聞いたけど、誰もそんな奴見たことがないという。
うちの制服を着ていたんだから、ここの生徒であることに間違いはない…はず。
「まあまあ、そんな落ち込むなって!俺らも探してやるからさ!」
佐藤が俺を励ますように言う。
やっぱ、持つべきものは友達だな。
「おう、ありがとな」
と、微笑んだ直後……
「きゃーーっ!!笑った!!」
「笑顔も素敵ーー!!」
………ありがたい!!!!絶対アイツにお礼言いたい!!!マジで感謝!!!!
-side 繋海 end.
prev next