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「あなたすごいねー!たった1日で、もう話題の中心だよー!!」
どこかで見たことのある可愛らしい女子に話しかけられた。あれ、豊島がいない。サボリか。
「私、相上愛良(アイウエ アイラ)、15歳!アイドルやってます!!」
「あ、思い出した。出席番号トップバッターになる確率100%の運命を持つ相上さんだ」
「えっ…私のこと知ってるの?あ、もしかしてテレビで見た?」
「…まあ、そんなところ」
本当は仕事で把握したんだけど。生徒名簿やらの書類整理で学園生徒全員の顔と名前は一致している。
相上愛良、15歳。
ふんわりとウェーブがかったツインテールが特徴の、人気急上昇中の現役アイドルにして日本一の進学高校の生徒。
仕事で授業に出れない事も多いのに成績も上位をキープしているのは本当に凄いと思う。
「仕事で忙しくて、なかなか学校来れないけどよろしくね!」
「…まあ、よろしく」
これは友達になったってことでいいんだろうか。まともに学校に行ってなかったせいか、そんな感覚すら忘れた。…多分友達になった記念に、今度CDでも買おうかな。
そんな事を考えているだけでも、やはり視線は絶えない。私を見ても何の面白味もないし、つまらない筈なんだけど…
もしかして、この髪か。やっぱ黒に銀はチャラい?でも制服のブレザーはちゃんと着用していますよ?
髪については校則的にも五月蝿い北篠学園でも、制服はかなり自由だ。
流石に私服はダメでも、上だけポロシャツとか、ネクタイをリボンにするとか、そういうのは自由なタイプ。
真っ黒なブレザーが地味だからか、ブレザーを着ている生徒はあまり見かけない。黒はいい色ですぞ、皆様。体を細く見せる効果もあるのよ?
そう考えると、繋海はかなり校則を守っていた。
金髪は地毛だから仕方ないけれど、本人の読む謎の雑誌の通り少し着崩しているだけだった。
それでも呼び出されたり喧嘩売られるのは、やはり髪色か。地毛の色がレアだと大変だよね、わかるわかる。
しかし視線は感じるが相上さんのように話しかける人はいなかった。もしかして私も目つき悪いんだろうか。それとも髪的にヤンキーと思われているんだろうか。
まあ、初教室だしサボリ魔と思われても無理はない。実際サボっていたわけだし。
だがしかし、私は仕事をしていた。豊島のようなサボリではない。
それに私も進学校の一生徒。
馬鹿ではない程度に賢いから大丈夫なはずだ。
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