Bチーム対Iチーム
私のいるIチームは敵側となった。
「Iチームが敵ね!ここは3人だから、まず捕獲テープは二人だけに持ってもらうよ!それと一番最初に一人だけいる位置を決めさせてもらう。場所はそうだな…1階だ!!」
場所を移し模擬市街地。
「私、1階に残る」
「わかった!!じゃあ私たちは核を守るね!!尾白君、砂子ちゃん、私ちょっと本気出すわ。手袋もブーツも脱ぐわ」
「・・・」
「え、裸?」
「ちょ、砂像さんわざわざ言葉に出さなくても…!」
「砂子ちゃん…!それは言わないで…!!」
私なら一階で二人を止められると思った。
捕獲テープを私と葉隠で持ち準備完了。
スタートの合図がなる。
すると不思議な音が入口方面から聞こえてくる。
(!?氷??)
「飛べ!!」
無線機で二人に伝えるが、時すでに遅し。
「ごめん、凍っちゃった…」
「こっちもだ」
そういう私も
「…私も」
捕まってしまった。伝えようと気持ちが入りすぎて飛ぶタイミングを間違った。
だって忍びなら皆伝えるまでもなく自分で交わしていたんだもん…と言い訳をするが意味がない。
そのまま入ってくるツートンと障子。
でも私は“砂”なのだ。
足だけを氷の中に残しそれ以外を再び砂で形成させ氷の上に立つ。足の分身長は低くなってしまったがこれで自由の身だ。
気配を消し二人に近づく。
「
二人を砂で拘束しようとしたが寸のところでよけられた。
ちなみに私はヒーローコスチューム発注の際砂を沢山使えるように砂が入った大きなタンクをお願いしていた。(さすがに我愛羅そっくりじゃアレなのでひょうたんではない)
ヒーローコスチュームの時だけこうして体以外の沢山の砂が使えるようになったのだ。
とりあえずここで二人を止めなければもう後はない。
まずは一人を拘束し、その後もう一人を拘束…二人いっきに相手できないわけではないが、戦っている最中に逃げられて核のほうへ行かれたら大変だ。
捕らえる方法はなんだっていいのだけれど…彼らには今ので私の拘束する手の動きは見られてしまった。きっと警戒するだろう。
なら。
タンクと一緒に発注したクナイを構える。ちなみにクナイは30本ほど。パーカーの裏にしまえるようになっている。その分パーカーはなかなか重いが。あと手裏剣も10個ほどある。こちらは腰にベルトで巻き付けてあるホルダーに入れてある。
障子は…服がぴっちりしていて拘束する余裕がない。
ならもう一人のほうか。
一瞬物陰に隠れて隙を見計らいクナイを5本放つ。
全て命中。服と壁を縫い付けた。
「くっ…」
「轟!」
よし、これで一騎打ち。
右ストレート左ストレートもっかい右ストレートを放ち左足で蹴りを入れる。蹴りをさけたところで右手で構えてたアッパーをくらわす。
ストレートはさすがに避けられたけどアッパーは決まった。
「っ…!なかなか、重いな」
すぐに捕獲テープを巻き付けたかったが、当たり前だが抵抗される。まずは拘束しようか。服に余分なところがないため体を直接刺して床に縫い付けるしかないか。
倒れている障子に近づきクナイを構え振り下ろした。
そこでオールマイトの声が響いた。
「砂像少女!!それは許可できない!!!」
でもその声が終わる前に私のクナイを持つ右手は氷で止められていた。
「その発想…本当にヒーローを目指しているのか…?何も躊躇なく凶器を振り下ろすなんて普通はできねぇぞ。学生の、初対戦で。それに俺を甘く見てもらっちゃ困る。俺は氷を広範囲に出せる。最初に見ただろ?こんな拘束だけじゃ俺は個性を使えるぞ。相手の力量を見誤ったな」
「そうか、先に手をつぶせばよかったのか…」
ぽつりと独り言を言えば、その声が聞こえてしまったのかツートン…(轟?だっけ)、轟が警戒の体制に入る。目の前の障子も目を見開いていた。
手を氷の中残し、残した先を砂で形成させる。
その隙を見計らって障子は起き上がり階段に向かって走る。
まずい、逃げられた。
轟も服を引きちぎって壁から離れる。
一気に二人を攻撃するには…
広範囲の技を出すしかないか。実際にやってみたことはないが、いくつか心あたりがあった。
でもあれは師匠のような存在のとても強い仲間が使っていた技だし、なんならそれも三代目風影の技…私に扱えるか?いや、今やるしかない!!!
「砂漠時雨!!!」
本来ならば砂鉄だが、私のは砂な為一応ネーミングを砂漠に変えてみた。
もちろん師匠‥‥サソリさんみたいに砂に毒は仕込ませていない。
針のようになった無数の砂が二人を襲う。
「避けられん…!」
障子は攻撃をもろにくらい、轟は氷でガードした。
これもダメか。
きっとすぐには動けないだろうと障子は放置し、轟に向かって走る。
こうなれば肉弾戦だ!!
手裏剣を投げ逃げる方向を誘導する。クナイを持ち直し轟に襲いかかる。
「だから、俺には効かないと…」
『タイムアーーーーーップ!!!敵チームWin!!!!』
そこで鳴り響いた終了のアナウンス。
「‥‥ッチ」
目の前の轟は一瞬悔しそうに表情を歪めるも、私の横を通りすぎ上の階へ上がっていく。凍らした葉隠と尾白を溶かしに行くのだろう。
「歩ける?」
目の前で倒れている障子に声をかける。
「ああ、大丈夫だ」
思ったよりもかすり傷だったらしい。
「甘かったな」
「殺す気か」
そして降りてきた轟はこちらを見ることなく入口へ向かっていった。
「って、ちょっと、待って…」
「?」
「足と手を…溶かして」
「あ、ああ」
頼むのも気が引けたが、私を形成する砂は決まっている。そこら辺の砂で体を作ったとしてもとてもぼろくなってしまうのだ。歩くたびに砂となって落ちていく。
これ以上身長を減らされるのも困るのでお願いした。
忘れていたような素振りを見せるも、意外とあっさりと溶かしてくれた。
「お前は…戦闘経験があるのか…?」
「ないよ」
この体ではまだ、ない。
皆のいるモニタールームに向かうまでの間それ以上の言葉はなかったが私に向ける視線は途切れなかった。
講評は轟が評価される結果となった。しっかりと状況判断をし私対策の防御ができていたからだとか。
一方私は相手の個性を確認せず、その敵に背を向け戦っていたことが悪評へとつながった。
今回は轟と引き分けみたいな結果になってしまった。前世で死闘を経験してきたというのになんて無様な結果だ。もっと簡単に早く終わらせるつもりだった。
勝つべき相手は爆豪だけじゃない…この轟もそうだったのか。いや、もしかしたらクラス全員が私よりも強いかもしれない。
一人だけに向けていた視界が今やっと全体を見ることができた。
そして悔しがっているのは私だけじゃなかった。