凩隊を結成してから暫く経って、私達はランク戦に参加するようになった。ランク戦にて、いつものように脳天を狙ってぶち抜いた。綺麗にふっ飛ばされた頭にガッツボーズをすると、試合の最中だったけどなんか凩さんにも敵さんにもマジかよみたいな目で見られた。酷くね。私は役割を全うしただけだというのに。だって脳天ブチ抜いても死ぬわけじゃないんだよ? 別に。躊躇してるほうがやられちゃうし、馬鹿みたいじゃん。そう言ったら凩さんや名風ちゃんに「小学校で道徳やり直してきたほうがいいよ」と言われた。なんでだ。というか凩さんはこの私の残酷性とらを買って誘ってきたのではないのか。騙したなヘタレイケメンめ。語呂悪いな。
「まー、正論っちゃあ正論だよな」
「でしょ? なのになんでドライモンスターなんて呼ばれるんだか」
「悪いわけじゃねえけど、それを普通に考え出せるところがドライモンスターなんだよ」
ふむ、なるほど分からん。割と常識はあるほうだと思っているのだがそうでもないのだろうか。ボーダー本部のラウンジにて、当真と向かい合いながらぶつぶつと文句を垂れる。間違ったことは言っていないはずなのに、どうしてこうも変人扱いされるのだろうか。私はトリオン体でも死にたくはないし、かといって殺すのに躊躇いがあるわけでもない。こんなの、みんな思っていることではないのだろうか。それともやはり私がおかしいのか。
「戦力になってんだからいいんじゃねー?」
「………ま、そーだよね」
足手まといになってるわけじゃなし、別に今のままで構わないか。
▽
「東さんはどう思います? 私のスタイル」
「ん? 何がだ?」
久々に東さんに狙撃の稽古をつけてもらいながら、ふとそんな事を問うてみた。東さんは何を問うているのか本当は分かっているのか本当に分かっていないのかは知らないが首を傾げて問い返してくる。私は目の前の的を当真の脳天だと思うようにしながら、弾を放つ。命中した。
「いやあ、皆にいろいろ言われるんで。脳天ぶち抜くスタイル」
「…ああ。そういえばそうだったな。それはそれで橘の長所だと思うけどな、俺は」
「長所?」今度は的に凩さんの顔を思い浮かべながら、再度弾を放った。これも命中した。「脳天容赦なくぶち抜けるところがですか」
東さんはそんな私の言葉に苦笑を漏らして、「あのな、」と先ほどの補足をするように話しだした。
「躊躇しないところが、だ。余計なことを考えずに、それだけを全うできる。立派な長所じゃないか」
「…………ほう」
ものは言いようだと、少しばかり失礼なことを考えながら、今度は近界民の姿を思い浮かべて弾を放った。一番綺麗に命中した。
「東さんてば褒めてくれますねえ」
「俺は褒めて伸ばすタイプだ」
「きゃーイケメン」
今度は誰の顔を思い浮かべようかと思案して、結局また当真の顔に落ち着いた。
ドライモンスターの良い所